準天頂衛星初号機「みちびき」のルビジウム原子時計の冗長系切り替えと測位信号提供の一時中断について [JAXA]

 平成22年9月11日に打ち上げられた準天頂衛星初号機「みちびき」において、平成24年6月4日1時42分(日本時間)、ルビジウム原子時計2を含む時刻生成系統が不安定となり、正常な測位信号が生成できなくなったため、直ちに測位信号の提供を一時中断(アラートフラグ*1を設定)いたしました。
 その後、冗長系のルビジウム原子時計1*2に切り替えを実施し、正常動作を確認後、「みちびき」の信号精度等に影響がないことを確認した上で、同日10時15分(日本時間)に、測位信号の提供を再開(アラートフラグを解除)し、現在は、測位信号の提供を正常に継続しております。

*2 ルビジウム原子時計1は平成23年7月28日21時43分(日本時間)に発生した事象により電源をOFFしておりましたが、その後の原因調査により、ルビジウム原子時計1は正常であり、原子時計に電源を供給する搭載制御計算機の放射線によるシングルイベントまたは、部品の偶発故障が原因であることが判明しておりました。

10か月ほど前の去年7月末にも原子時計1の調子が悪くなり原子時計2に切り替えましたが、調査の結果1の方は機能的に問題は無いと報告されていました。今回調子が悪くなった2から再びその1に切り替えたそうです。可能性としては宇宙放射線などによる一時的なエラーでしょうか。今回のはまたちゃんと調べる必要がありますが。