LNGエンジン研究開発の状況について [JAXA]

JAXAで取り組まれてきたLNG推進系の成果が報告されています。

  • 推力10トン級から、LNG推進系の利用可能性の拡大が期待できる3〜4トン級へ小推力化したエンジンを設計、試作
  • 燃焼試験では有害な振動は発生せず安定に燃焼し、推力10トン級エンジンの開発で獲得した技術の幅広い推力レベルへの適用性を確認
  • 推力10トン級エンジン(約1MPa)からの高圧燃焼化に向け、カギとなるアブレータの耐久性に係るデータを取得
  • 要素試験(アブレータ高圧耐久性データ取得試験)にて、米国のアブレータエンジンに迫る4MPa程度まで対応可能なことを確認。エンジン燃焼試験では3MPa弱まで確認。
  • 初めて実機サイズのLNGエンジンにて高空燃焼試験を実施。試験結果の比較により、解析にて高精度にノズル性能予測が行えることを確認あわせて耐熱性などノズル設計に貴重な技術データを取得。
  • 米国NASAにおける実績以上のエンジン性能を達成 (※)NASAが2010年に実施したメタン(LNG)エンジンの高空燃焼試験での真空中比推力約345秒に対し、今回の試験結果を同条件(ノズル開口比をNASAと一致)で比較すると約350秒

確立したLNG推進系基盤技術を活用し、平成24年度は、より高圧燃焼で、高燃焼効率を狙ったアブレータエンジンについて燃焼試験を行い、エンジン性能、アブレータ燃焼室耐熱性等に関するデータ取得を行う。試験結果を事前解析と比較・検証し、設計技術にフィードバックし、改善を図る。

LE-8はGXロケット2段目用に開発が進められてきましたが、より汎用性を高めるため小型高性能化が進められてきたそうです。これはすばらしい! GXとして実際に飛ぶことが無かったのは残念でしたが、アッパーステージとして芽は残りましたね。願わくばこのまま基礎研究を継続し、将来的にはLRB方面に向け大推力化を…!