宇宙ステーションに滞在した線虫で老化をコントロールする遺伝子が見つかりました〜線虫国際共同研究(ICE-1st)の成果〜 [ISS/JAXA]

アミノ酸のグルタミンが35 個連なったポリグルタミンというタンパク質は生体中で時間が経つとどんどん凝集し大きな固まりになって行くことが知られています。このポリグルタミンに緑色蛍光タンパク質を結合させた人為タンパク質を持つ線虫の蛍光を観察すると、加齢に伴ってポリグルタミンの凝集体の数が増えて行くことが見られ、加齢の指標になります。この線虫を宇宙環境で飼育したところ、地上で飼育された線虫に比べて凝集体の数が少なくなっていることがわかりました(図2)。これらの結果は宇宙環境が老化の速度に影響することを示唆します。さらに宇宙環境で活発になる遺伝子や不活発になる遺伝子を線虫で調べました。その結果、宇宙環境により不活発になる遺伝子の中で、7 つの遺伝子をそれぞれ地上において人為的に働かなくさせると、それらの線虫の寿命は通常の線虫の寿命よりも長くなることがわかりました。この結果は老化をコントロールする遺伝子が宇宙環境で不活発になることを示唆します。これらは神経系や内分泌系に関わる遺伝子でした。宇宙環境で微小重力により重力を感じる神経系の働きが衰え、これらの系が老化をコントロールすることにより寿命に変化が生じた可能性があります。

宇宙では寿命延びる? 線虫の老化に遅れ [日経]

神経の伝達や内分泌の働きに関わる11種類の遺伝子の働きが低下しており、地上で飼育した線虫でこのうち7遺伝子をそれぞれ働かないようにしたところ、最大寿命が10〜30日程度長くなった。

成長や代謝とかはどんな感じなんでしょう?