東北地方などの電子基準点より準天頂衛星やグロナス衛星のデータ提供を開始−GNSS時代への対応による震災復興支援− [国土地理院]

 GPSに加え、準天頂衛星やグロナスのような衛星測位システム(以下、「GNSS」※3と総称します。)が利用できると、建物や樹木、地形等の障害によって衛星からの信号が観測しにくい都市部や山間部でも、十分な数の衛星が観測可能となって測量できるようになるため※4、電子基準点の利用者からは、早くGPS以外のGNSSに対応してほしい、との要望が寄せられていました。また観測できる衛星数が格段に増えることにより、1回の観測に必要な時間の短縮も期待されています。
 このため平成21年度より、老朽化した受信機を更新する際にGNSS受信機への入れ替えを図ってきましたが、1240点全点で対応が終わるのは平成31年度の予定でした。

 平成23年3月の東日本大震災を契機に、電子基準点の更新スケジュールは大幅に前倒しされ、受信機・アンテナの全国更新は平成24年度に完了の見込みです。また、電子基準点のデータを収集・提供する中央局でも、平成24〜25年度にGNSSに対応したシステムを整備することとしています。しかし、被災地域の山間部を縦貫する道路の整備等、震災復興での測量ニーズに対応するため(図1)、準天頂衛星やグロナスのデータがさらに早期提供できないか検討してきました。
 この結果、平成24年7月13日より、受信機及びアンテナの更新が完了した東北地方を中心とする全国の電子基準点187点(資料2、資料3)について、従来のGPSに加え、準天頂衛星やグロナスを含む観測データファイルをホームページで提供します。
 このグロナスデータは、GPSとの併用により公共測量での利用が可能です。準天頂衛星は実証段階にあり、測量用の解析ソフトウェアが市販される状況には至っていませんが、研究開発用のデータとしてご利用いただけます。

おっ、「みちびき」の観測データも試験的に測量向けに配布されるそうです。