油井宇宙飛行士インタビュー「現実と夢のギャップを埋める努力が大事です」 [アスキー]

油井:体力的にも、記憶力などが衰えてくることを自分に言い聞かせる意味でも、“中年”と呼ばれていいと思っています。そしてそれを見据えて、補うために何をしなければいけいないか、と考える。人一倍、語学も勉強しなくてはいけないし、体力トレーニングに時間を割かなくてはいけない。だから、“中年の星”でもいいと思っています。まあ“星”ほどまだ輝いていないので(笑)これからですけど。ロシア語の勉強は、一所懸命やっているんですけど大変ですね。……がんばります(笑)。

特にロシア語は皆さんかなり苦労されているようで、新しい言語を覚えるにはやはり若いうちが適してるんでしょうね。というか当たり前のようにバイリンガルなんですよね。

――カナダのロボットアームと、日本のものとでは、設計時のXYZ軸が違っていて、一方で訓練されるともう一方に対応するのが大変だと聞いたのですが……。

油井:私は両方の訓練受けましたけど、そんなに違和感なくできました。XYZのフレームは、切り替えることができて、自分に合った形で、最適のものを選んで作業できるんです。私がやっている限りでは特に違和感はなかったので、どちらを扱うことになっても大丈夫だと思います。ロボットアームと船外活動は花形のひとつなんですよ。訓練にも時間を割きますし、実際に作業をするのは宇宙飛行士の誇りみたいなものですね。

へええ、そんな所にもお国柄みたいなものが出てるんですね。まあISSにあるのはカナダのアームと日本のアームだけですが、曝露パレットの受け渡しなんて直接でないにしろ両方使うわけで、頭がウニになりそうですw 設定は変えられるようですが。

油井:日本の宇宙開発と言うのは、非常に優れています。これだけの技術を持っている国と言うのは世界中でもわずかで、宇宙開発の技術先進国、大国であるといっていいと思います。ただ、その中で“人を打ち上げる(有人飛行)”というのは、非常に重要な要素なんです。国際的に発言権を増すというのもあります。私の希望としては、その部分も……お金はかかりますけれども、ぜひ日本も取り組んでいっていただければ、と希望しています。私は前職がテストパイロットですから、試験もできるわけです(笑)。 そこでまた新たに活躍できる機会があるわけなので、(テストパイロットとして)ぜひ乗りたいですね。

いやあ、きっと油井さんも持ってますよ。ライトスタッフ