災害時の情報ステーション実験 [NHK]

今週土曜から日中に実際の衛星回線で実験ができるようです。行ってみたいけど実験期間は10日間なんですよねえ。

東京の新宿駅前に21日に設置された「情報ステーション」は、東京大学などが開発したものです。
「きく8号」と呼ばれる人工衛星を使って通信を行うことで、災害により携帯電話や公衆電話などが使えなくなった場合でも、この周辺では無線LANを使ったインターネット接続が可能です。
また、電力の供給が絶たれたときのために、太陽光パネルと蓄電池が備え付けられ、携帯電話用の充電器もついています。
これにより、離れた家族とメールのやり取りができるほか、鉄道会社のICカードをあらかじめ登録しておけば、タッチするだけで家族が避難した場所を確認できるシステムも備わっています。

「街角情報ステーション」 新宿で運用実験中 災害時、衛星使い通信 [東京新聞]

 実用化に向け、開発した研究所所長の坂村健東大教授は「官民協働で三年をめどに三千台は都内に設置したい。そうなれば設置費も数十万円に抑えられる」と話す。

 運用実験の場所は新宿駅西口・小田急ハルク前の歩道橋。スタッフが買い物客らに実験目的や使い方を教え、端末改善のアンケートを実施している。

記者説明会を見た感じでは、平時は公衆無線LANスポットとして利用でき、災害時にはインターネットメールのやりとりが可能となるそうです。理由としては先の震災でも携帯電話は非常に混み合っていたがインターネットメールは最後まで通信できていたからとのこと。電源は独立しており衛星回線を利用するのでインフラが寸断されてもネットワークが確保できます。周囲数十メートル圏内で50〜100人が収容可能で、また端末からFeliCaなどのICカードをワンタッチで登録し安否情報を共有可能。ディスプレイは屋外でも視認性の高い電子ペーパーのようです。あと屋外なので当然防水。この端末が使えなくなった場合は最寄りのスポットの案内が出るとか何とか。都内で設置する場所として想定しているのは避難場所や施設数千箇所、また官民共同を念頭に置くとコンビニなど。デモを見る限りはATMより簡単そうでした。
これで気になるのはてっぺんに据え付けられたパラボラアンテナの指向がずれた場合ですが、今回の実験で使用される「きく8号」は元々移動体通信システムを搭載しているので通常なら多分パラボラ無しでもいけます。ただ「きく8号」は受信系の増幅器コンタミで動作せずSバンドアンテナで代用している状態なので、地上からのアップリンクはこうする必要があります。それにそもそも色々詰め込んだ試験衛星シリーズの1つなので、仮にこういうシステムを実用化するなら使用するのは現在検討中のSTICS(pdf)とかその系統の実用機でしょうね。
あと調べてみると「街角情報ステーション」はきく8号が打ち上げられるより前から実験を進めているようです。