大震災の地震の「音」、宇宙にも届く 衛星が観測 [AFP]

 米専門誌ジオフィジカル・リサーチ・レターズ(Geophysical Research Letters)に10日に掲載された研究によると、欧州宇宙機関(European Space Agency、ESA)の地球観測衛星「GOCE」が、巨大地震で地殻が大きくずれたことによって発生した「超低周波音」を捉えていたという。

 科学者らによると、巨大地震は地球の内部を伝わる地震波を生むだけでなく、太鼓をたたくように地表をも振動させる。GOCEはこの振動によって発生し大気の中を伝わっていく音波を観測・記録することが可能で、今回、周回軌道上で地震計のような役割を果たしたという。

 研究報告は、「東北地方太平洋沖地震に伴う超低周波音がGOCEプラットフォームの大気密度と垂直加速度に変動をもたらした」と指摘。その現象は「音波が最高で秒速130メートルの鉛直速度を生み出したことによるものだ」と説明している。

このGOCEはもともと重力場観測を目的とし260kmという低軌道を周回しているので、希薄な大気による変動を検出することが出来たそうです。いや色んな意味で凄いですね。下のリンク先の動画が解りやすいです。ちなみにGOCEは希薄大気による減速分をイオンエンジンによる加速で補っており、これは日本が開発中の衛星SLATSも同じコンセプトですね。