波乱の旅の置き土産 はやぶさ2、改良重ね来年宇宙へ [朝日]

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 外見は先代とあまり変わらない。H字形の太陽電池パネルや、着地と同時に小惑星のサンプルを回収する一本足の「サンプラー」などは先代を継承している。だが、開発チームを率いるJAXAの国中均・プロジェクトマネジャーは「はやぶさは試験機。行って帰ってくれば成功だった。行きやすい所に行ったのがはやぶさなら、目指す所に行くのがはやぶさ2。そこが最も違う」と説明する。

 ほかにも、金星周回軌道への投入に失敗した金星探査機「あかつき」の教訓を生かしたり、太陽系を航行中の宇宙ヨット「イカロス」の技術も使ったという。

 主な推進装置であるイオンエンジンは推進力を20%増やし、長寿命化した。計画より3年も長くなった前回の飛行の教訓から、今回も予期せぬ遅延に備えた。萩野さんは「エベレスト登頂のように、一番乗りは手探りだが、後に続く人は先人の経験をふまえて、戦略を持って挑める」と自信を見せる。

基本システムは先代を踏襲し、さらに他の探査機などからも得られたこの10年間の様々な知見が集結した非常に信頼性の高い探査機に仕上がるのではないでしょうか。もちろん行く先はあくまで未知の天体ですし新たな試みもありますが。