ESA、欧州次期主力ロケット「アリアン6」の基本構成を発表 [Response]

7月9日、欧州宇宙機関ESA)は次期主力ロケット『アリアン6』の基本構成を発表した。2021年に初打ち上げを予定しているアリアン6は、固体燃料2段、液体燃料1段の全3段構成となる。静止軌道に3〜6.5トンの人工衛星を打ち上げることができる。

全体の構成は『PPH』と呼ばれる固体燃料と液体燃料を組み合わせたもの。Pは"パウダー"、固体燃料を指し、Hは"ハイドロゲン”で水素を指す。ロケット下2段は『マルチPリニア』コンセプトと呼ばれるもので、4基の固体燃料モーターで第1、第2段を構成する。各モーターは135トン、うち3基を連結して第1段とし、残る1基が第2段となる。第3段は、アリアン5MEと共通の液体燃料エンジンを搭載する。『Vinci』と呼ばれる、再着火可能なエキスパンダーサイクル方式の液酸液水エンジンだ。フェアリング部は直径5.4メートルで現行のアリアン5と同程度の大きさのペイロードを収容できる。

基本構成が固まったようです。現行のアリアン5はもともと小型シャトルHERMES(日本で言うHOPE)を想定して開発され、HERMESがキャンセルされたため静止衛星のデュアルロンチに特化しています。デュアルロンチ前提なので相乗りの都合を合わせるのが面倒というのもあり、シングルロンチで効率的に上げるためにアリアン6はこのようになったということですね。アリアン5も開発は継続されていますし当面両ラインナップで行くのかもですが、思い切ったコンセプトですよね。