イプシロンロケット/SPRINT-A打ち上げ関連 13.09.14

イプシロン 打ち上げは午後2時に [NHK]

直前に警戒海域に漁船が接近したため打ち上げ時刻は15分遅れで14時に変更されました。



今回の打ち上げ諸条件。NVSさんの中継を見ていると若干風が強いようですが、イプシロンは風に強いのでこれくらいなら平気でしょう。H-IIA14号機の時の方が大変でしたw


14:00 リフトオフ!


うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!




凄い勢いで上昇し凄い勢いでピッチ制御してるw これが固体の垂直打ち上げか… 台風接近中で全国的に下り坂ですが、雲は空気を読んでくれたようです。雲間をかき分けるようにイプシロンは上昇していきます!






お、おお? なんか飛行コースが20秒ほどで物凄い勢いで曲がったように見えましたけどこれは規定の飛行制御でしょうか?




オンボード映像も届いています。





第2段燃焼開始、順調に飛行中! この後PBSの燃焼を2回に分けて行い、衛星分離は15時頃の予定となっています。

新型国産ロケット イプシロン打ち上げ [NHK]

そして今回はNHKが生中継! いやあGJ! アップで追うのも手慣れたものですが、固体の加速は半端ないのでこれは結構大変ですよ。ちなみにNHK_PRさんによると生放送枠だったから中継可能だったとのこと。映像で見てもこの迫力、現地では一体いかほどだったのでしょうか。くっ…

イプシロン打ち上げ成功 惑星観測衛星を予定軌道に投入 [朝日]


朝日恒例の空撮もアップされています。いやいやこれ凄いですよ。マジすげえ…。


15:01 衛星分離!!



よっしゃ! 詳細は後ほど会見で述べられると思いますが、ひとまず打ち上げ成功おめでとうございます! っしゃっしゃ!


イプシロンロケット試験機による惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の打ち上げ中継


JAXAのライブ中継がアーカイブされていますので、見逃した方は是非。

打ち上げ後記者会見

No.1709 :イプシロン初号機打ち上げ成功を受けた記者会見第一部 [宇宙作家クラブ ニュース掲示板]

打ち上げ結果はドンピシャだったようです! そして明かされるEの残りの謎… 主犯は的川先生でしたww
さらにSPRINT-Aの愛称が「ひさき」と発表されました。陽の射す先という意味に、メインは内之浦の地名「火崎」を由来とするダブルミーニング。これは「おおすみ」以来でしょうか? 新たな時代の幕開けにふさわしいナイスネーミング! ちょっと鳥肌が立ちましたよ!
この3週間近く全く気の休まらなかったであろう打ち上げ隊の皆さん、どうぞ週末は存分に打ち上げの打ち上げを堪能してくださいw

イプシロンロケット試験機による惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の打上げ結果について [JAXA]

 宇宙航空研究開発機構JAXA)は、平成25年9月14日14時00分(日本標準時)に、内之浦宇宙空間観測所から惑星分光観測衛星(SPRINT-A)を搭載したイプシロンロケット試験機を打上げました。
 ロケットは正常に飛行し、打上げ後約61分39秒にSPRINT-Aを正常に分離したことを確認しました。

惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の太陽電池パドル展開および衛星の愛称について [JAXA]

 宇宙航空研究開発機構JAXA)は、平成25年9月14日14時00分(日本標準時)に内之浦宇宙空間観測所からイプシロンロケット試験機により打ち上げた惑星分光観測衛星(SPRINT-A)について、本日15時49分から内之浦局で受信したデータにより、太陽電池パドル(SAP)が正常に展開された事を確認しました。

 現在、衛星の状態は正常です。

 また、SPRINT-Aの愛称を「ひさき(HISAKI)」と命名いたしました。「ひさき」という愛称の由来は以下のとおりです。

(1)内之浦の地名である「火崎」(津代半島の先端部の岬)
内之浦で最初に朝日が当たる場所であり、内之浦の新しい夜明けの象徴
内之浦の漁師が漁の安全を祈願する場所であり、内之浦を旅立つ船の安全な航行の象徴
突端であり、衛星形状のイメージとも合致
(2)観測対象が、太陽(ひ)の先(さき)

プレスリリースも上がりました。イプシロンの切り開く未来と「ひさき」の旅路に光あれ!

イプシロンロケット試験機打上げ成功!惑星分光観測衛星(SPRINT-A)の愛称は「ひさき(HISAKI)」に [ISAS/JAXA]

そしてこちらには例の計算書の表紙が公開されています。相変わらず洒落が効いてて粋ですね。

JAXAの惑星分光観測衛星「ひさき」(SPRINT-A)の打ち上げについて〜 衛星システム取りまとめとして製造・試験を担当 〜 [NEC]

ひさき」を開発したNECからもプレスリリースが上がっています。衛星側のシーケンス概要図も載っています。

打ち上げ直前

打ち上げ直後の速報

現地の様子

「頑張れイプシロン」 2万人見学客から声援 [産経]

肝付町は前回と同様、6カ所の見学場を用意。正午現在で前回を約5千人上回る計約2万人が集まった。唯一、発射台が直接見ることができる見学場では朝から人が訪れ、シートを広げて場所取りが始まった。

延期した結果、前回より増えたww いやまあ週末なので来やすいというのもあるでしょうしね。前回は平日でしたし。多分リベンジできた人も多いのではないでしょうか。

伊勢えびのみそ汁をサービス [NHK]

肝付町内之浦地区は、地元の言葉で「えっがね」と呼ばれている伊勢エビの産地で、漁港に設けられた打ち上げの見学場所では、町の観光協会が伊勢エビが入ったみそ汁を、特別に無料でふるまいました。
ふるまわれたみそ汁の数は、「イプシロン」にかけて「1246杯」で、打ち上げを見に集まった人たちは、長い行列を作ってみそ汁を受け取ったあと、見学場所の中の思い思いの場所に腰をおろして地元の海の幸を味わっていました。

これめちゃくちゃ美味そうですよねじゅるり…

地元住民は避難して見守る [NHK]

このうち、発射場からおよそ500メートルの所にある長坪地区では、23人の住民のほとんどが65歳以上の高齢者ですが、先月27日に続く避難だったためすぐに車に乗り込めるように予定されていた時刻より早めに自宅の外で待つなど時間に余裕を持って避難する人もいました。
内之浦銀河アリーナでは、避難してきた人たちが、アリーナの窓を開けたり、カメラを構えたりして準備し、イプシロンが轟音をあげながら空に向かって飛び立つと「バンザイ」といって喜び、中には涙を流す人もいました。

避難しなければいけないのは本来負担のはずですが、帰ってきた打ち上げ風景を避難先で眺めて嬉し涙するなんて本当に古くからこの地域に根ざしてるんですね。

小学校で打ち上げ見守り [NHK]

子どもたちは学校の屋上に上がり自分たちで作った「飛べ!イプシロン」と書かれた横断幕やイプシロンを描いた絵を掲げて打ち上げ予定時刻の午後2時を待ちました。予定時刻が迫ると「10、9、8、7」と声を合わせてカウントダウンし、イプシロンが轟音をあげながら空に向かって飛び立つと「頑張れよー」と応援したり歓声をあげたりしていました。
イプシロンの姿が空のかなたに見えなくなったあとで、打ち上げの成功を祝って全員で万歳三唱して喜び合っていました。

万歳三唱かわいいww というか、下級生にはM-V最後の打ち上げの時に生まれてなかった子供もいますよね。年齢を考えると初めて見る子供も結構多いはずです。見事な打ち上げを見せられて良かったですね。

イプシロンが飛んだ日 [きもつき情報局]

内之浦漁港の公式見学場でのレポート動画がアップされています。いやあこの雰囲気いいですねえ。発射台は山陰なのでリフトオフから数秒後にならないと機体は見えてきませんが、逆にそれが見えた瞬間の大きな歓声に繋がっていて楽しいです。

各地の様子

各界の反応

イプシロン成功、国際競争へ「切符」 低コスト追求 宇宙産業、脱・官需依存めざす [日経]

要ログイン記事。

 イプシロン宇宙航空研究開発機構JAXA)が開発し、IHIエアロスペース(東京・江東)が生産。先端部で衛星を覆う「フェアリング」は川崎重工業、計測通信系機器はNEC、ガスジェット装置を三菱重工業が納入するなど、ほぼ純国産といっていい。

 日本の宇宙産業は今回のイプシロンの打ち上げ成功で、名実ともに国際競争に参加する切符を手に入れた。新興国が宇宙利用を本格化させる初期の段階で新興国に食い込めば、三菱重工三菱電機が手がける大型のロケット・衛星でも案件を獲得しやすくなる効果が見込める。

いわゆるパッケージ戦略ですが、要は実績ですね。欧州の固体ロケットVEGAもガッツリ補助金を打ち出していますし、とにかく取ったもん勝ちです。

イプシロン、地平の先に 経費減、新技術フル活用 打ち上げ成功 [朝日]

要ログイン記事。

 固体ロケットは、ICBMと共通の技術が使われ、積み荷を換えればミサイルに早変わりすることから、「潜在的な抑止力」とされる。日本は69年の国会決議に基づき、宇宙開発を平和目的に限るとしてきたが、08年に防衛利用を解禁した宇宙基本法が成立。今回は新法のもとで初の固体ロケットの打ち上げとなる。

 韓国の東亜日報は8月、「イプシロンは短時間に発射できてICBMに使われる。日本の右傾化も発射の背景に対する憂慮を増幅させている」と報じた。

 山本一太・宇宙政策担当相は13日の会見で、開発の理由について「宇宙基本法で打ち出した自律性の確保や宇宙利用の拡大だ。どうやって宇宙産業の競争力強化に結びつけるかを考えることに尽きる」と語り、ミサイルとは無関係であることを訴えた。

 宇宙政策に詳しい鈴木一人・北海道大学教授は「固体ロケットの抑止力は、軍事利用する政治の意図が伴わなければ、潜在的なままだが、その意図が変わりつつあると諸外国に認識されている」と指摘する。

まあ潜在的な存在意義はあるでしょうが、結局日本は初の人工衛星を持った時から40年来固体をやって来たわけですよ。少々政局が動いたくらいで今更感満載です。そういや同じ朝鮮半島でも北方面からは特に何も言ってこないですね。

海外の反応

社説

イプシロン成功 日本の宇宙開発に新時代を [読売]

 政府は、原子力発電所や新幹線などに続いて、人工衛星もインフラ輸出の対象としている。小型衛星を外国に売り込み、イプシロンに搭載して打ち上げるという。

 その前提となるのは、イプシロンなら予定通り確実に打ち上げられる、との評価を確立
することである。連続成功を目指したい。

イプシロン 宇宙開発の新時代開こう [産経]

 課題も指摘しておこう。8月下旬に予定された打ち上げは2度にわたって延期された。いずれも単純なミスが原因という。打ち上げ前に発見できたことは評価するが、小さなミスの陰には大きな失敗の芽が潜んでいる。組織的な問題点を含め、ミスの原因をきちんと検証することが、今後の信頼性向上には不可欠だ。

 日本のものづくりには優れた伝統があるが、時代に流され衰退していく技術も少なくない。イプシロンに盛り込まれた「伝統と革新の融合」は、製造業の再生モデルにもなるのではないか。

社説:イプシロン成功 宇宙近づける「革新」だ [毎日]

 大型衛星は主力ロケットのH2AH2Bで、小型衛星はイプシロンで打ち上げる効率的な分業体制を早く築いてほしい。複数の打ち上げ手段を自前で持つ意義は大きい。

新型ロケットで世界市場開け [日経]

 しかし世界にはもっと安価なライバルのロケットが存在する。イプシロン人工衛星の打ち上げビジネスの国際競争を勝ち抜くにはもう一段の低コスト化が求められる。今回の成功は競争のスタートラインにたったにすぎない。

 競争力は価格だけではない。信頼性や顧客目線にたった柔軟なサービスも重要だ。相手国と日本の間で宇宙分野の長期的な協力関係を築く「技術外交」が決め手になることもあるだろう。

 「技術で勝って市場で負ける」ことがないよう、JAXAや関連企業、政府が協力し日本の総合力を発揮できる体制を築くべきだ。

イプシロン成功 宇宙産業の拡大に生かせ [山陽新聞]

 日本は従来、宇宙に関する事業では研究開発に重点が置かれ、人工衛星の打ち上げ実績や価格競争などでは欧米勢に後れを取ってきた。イプシロンで開発した低コストで機動的な打ち上げ方式を、日本の宇宙産業育成の強力な“武器”にすることが重要だ。

9月15日付 イプシロン成功 信頼性高め国際競争力を [徳島新聞]

 1号機の成功を喜んでばかりはいられない。世界的にみると、ロシアやヨーロッパなどがロケットによる国外衛星打ち上げビジネスを活発に展開している。日本はようやくコスト面で太刀打ちできるレベルに達したに過ぎない。

 今後どうやって競争力を高めるかが課題だ。国産衛星もセットにして売り込んだり、衛星を政府開発援助の対象にしたりするなど、さまざまな工夫が必要だろう。

イプシロン成功 商業化へ産学官連携を [中国新聞]

 日本の衛星ビジネスは苦戦が続く。海外から商業受注できたのは昨年5月の韓国の衛星1件だけ。それも日本の観測衛星との相乗りで格安だったのが奏功したといえる。イプシロンも2機目はJAXA自身の衛星などを載せるが、その後の打ち上げ計画は決まっていない。

 今後ビジネスとして確実に軌道に乗るかどうか、まだスタートラインにすぎない。

イプシロン成功 国際受注へ具体的戦略を [西日本新聞]

 希望の星となったイプシロンだが、当面はコストをさらに減らす取り組みを優先させる方針で、2号機の打ち上げは2年先になる。その後は未定だ。

 国際間の激烈な受注競争は、この間もやむことはない。専門家は「国際競争
力の源泉は商業打ち上げに対する本気度だ」と指摘する。せっかくの高度な技術を「宝の持ち腐れ」にしないためにも、国としての具体的な戦略が欠かせない。