イプシロンの能力向上、来年から着手…文科省 [読売]

 文部科学省は11日、国産ロケット「イプシロン」の打ち上げ能力向上に、来年から着手することを決めた。

 イプシロンは今年9月、初号機の打ち上げが成功。同省は、さまざまなサイズの中小型衛星に対応できるよう改良し、国内外の衛星打ち上げ受注を狙う方針で、大型ロケットのH2Aの改良費用も含め、今年度補正予算案に約65億円を盛り込む。

 イプシロンは、従来の国産ロケットよりも打ち上げ費用を大幅に引き下げ、衛星打ち上げ市場での競争力を持たせたのが特徴。今後、機体の軽量化や、衛星搭載部の大型化を進め、初号機よりも大きめの衛星を搭載できるようにする。2015年度、地球観測衛星「ASNARO2」の打ち上げを目指す。

概算要求の資料(PDF:819KB宇宙政策委員会 第16回会合 議事次第)にはあまり詳しく書かれていませんが、イプシロン最終形態E1はおよそ2通りの構想があり(PDF:5.2MB第三回小型科学衛星シンポジウム ポスターセッション)、ケース2では第1段を根本的に強化することで打ち上げ能力をM-Vと同等の低軌道1.8tにまで向上させる案となっています。共通しているのは上段の能力向上で、構造を一新し推薬を増量し更に低コスト化させるというところです。いずれも段階的に進めていくと思われますので、当面は2015年度のERG打ち上げまでにどこまで進められるかですが、同じく2015年度予定のASNARO-2は現行EXの搭載能力を上回る550kgなので、2年後がひとつの節目ですね。森田先生としては当然ケース2推しでしょうw



ちなみに次期基幹ことH-III(仮称)ではイプシロンの2段目をSRBに流用する構成案(PDF:797KB宇宙政策委員会 宇宙輸送システム部会 第8回会合 議事次第)が現状では有力なので、そこんとこEXの能力向上も織り込まれている感じですね。