平成25年12月17日 小型月探査機に搭載するペネトレータモジュールの概念検討(PDF:112KB) [JAXA]

将来の小型月探査機に搭載するペネトレータモジュールの概念検討を行う。
観測機器を搭載したペネトレータと小型ロケットモータで構成されるペネトレータモジュールについて、以下の条件のもとで検討を実施する。
・1万G(1G=9.8m.sec^2)以上の衝撃に耐えられる観測機器
・-30℃の低温環境でペネトレータに搭載された観測機器
・ΔV=1700m/secの推進力をもつ小型ロケットモータ

これは小型科学衛星シリーズで検討されているものでしょうか(ペネトレータシステム実証のための小型科学衛星ミッションの提案(PDF:1.5MB)第三回小型科学衛星シンポジウム ポスターセッション)。従来開発されたペネトレータを小型化し合計400kg級の小型探査機としてイプシロンで打ち上げる計画。これは面白くなってきました。
このペネトレータというのは月探査機LUNAR-Aに搭載することを目的として開発されていたもので、月周回軌道から落として月面にぶっ刺す杭のようなものです。地震計などのセンサが搭載されているのですが、耐衝撃性の面で開発に難航し、その間に衛星本体のコンポーネント劣化による改修費用などコスト増加を受けて2007年にLUNAR-A計画は中止が決定されました。ペネトレータの開発はその後も続けられ、2010年頃ついに技術開発を完了しました。将来の月・惑星探査での活用可能性や、ロシアからも探査機搭載の引き合いがあるなど未だその有用性は失われていません。