嫦娥5号の試験機が今年打ち上げへ、帰路を探る案内役に [SciencePortal China]

 葉氏は、「有人宇宙船・神舟、帰還型衛星は7.9km/sの第一宇宙速度にしか達しておらず、かつ地球付近からの帰還であった。嫦娥5号は10.9km/sの第二宇宙速度で月から帰還しなければならない。中国の宇宙船はこの速度を実現したことがなく、これほど遠くから帰還したこともない。任務の成功を保証するため、嫦娥5号の試験機は嫦娥5号と同じ帰還モジュールを使用し、月から順調に帰還し、予定されていた地点に落下できるかを検証する」としたほか、「嫦娥5号の任務には、月面サンプルの収集と上昇が含まれ、中国にとって初となる。月からの離陸も難しく、地球上でのシミュレーションにより同技術を検証する」と述べた。
 葉氏は嫦娥5号の任務の過程について、「この任務では軌道モジュール、帰還モジュール、上昇モジュール、着陸モジュールという4機の宇宙機を打ち上げる。月周回軌道に到着後、軌道モジュールと帰還モジュールは月を周回し、着陸モジュールと上昇モジュールは月面着陸する。着陸モジュールに搭載されているサンプル収集装置は月面での作業を完了後、上昇モジュールの容器の中に収められる。それから上昇モジュールが月面から離陸し、合体した軌道モジュール・帰還モジュールとドッキングし、集めたサンプルを帰還モジュールに移してから分離される。軌道モジュール・帰還モジュールは地球に向かい、数千キロの地点で分離し、最終的に帰還モジュールが地球に戻る」と紹介した。

嫦娥5号ではアポロ方式にならって月周回軌道でのドッキング方式を採用しているそうです。軌道モジュールがある分効率的になるでしょうが、その分難易度は格段に上がりそうですね。