宇宙政策委員会 第25回会合 議事次第

今後の国際宇宙探査に関して言及があります。

■国際宇宙探査ロードマップ(GER)においてISECG参加機関間で合意されているマイルストン
a. ISSを探査技術の獲得の場として活用すること。
b. 2020年代前半までは、月近傍の有人拠点構築に向けた準備として無人探査ミッションを実施すること。
c. 2020年代半ばから、月近傍または月面上の有人拠点で滞在を開始すること。
d. 2030年以降に有人火星探査の実現を目指すこと。
2020年代前半までは、ISS無人探査ミッションを中心とした準備活動となる。
■上記の国際的なマイルストンの実現に向け、GERにおいて、当面2020年代前半までの間、各国が関心のある準備シナリオは以下の3つ。
ISSを通して有人関連技術を獲得しつつ、
シナリオI 無人小惑星探査ミッションの実施、及び、米国が主導する小惑星捕獲ミッションへの準備への参加により技術の獲得を図る。
シナリオII 月を有人火星探査に必要な技術実証の場として捉え、国際協力による無人月面着陸探査ミッションの実施により技術の獲得を図る。
シナリオIII 国際協力による無人火星探査ミッションへの実施により技術の獲得を図る。

JAXAが現時点で検討している国際宇宙探査参加に向けた準備シナリオ(案)
上記の視点に基づいて検討した結果、JAXAとしてはシナリオIIの「ISSを利用しつつ、国際協力による無人月面着陸探査ミッション」を中核としつつ、他のシナリオにも対応できる共通的な技術課題の解決に向けた準備を進めるべきと考える。
【理由】
a. 地球から最も近い重力天体である月を技術実証の場と捉え、我が国が保有する高度なロボティクス技術、ランデブドッキング技術、探査技術等で貢献するともに、宇宙技術を更に発展させる。
b. ロシア、中国、インド等が積極的な月の開発利用を進めようとしている中で存在感を示す。また、欧米では月探査計画が具体化しておらず、我が国が主導権を取れる可能性がある。
c. 月開発を国際協力により平和目的で実施する枠組みをリードすることができる。
【他のシナリオの評価】
シナリオI 火星への人類到達を究極のゴールとする中で、小惑星探査では火星有人探査に必要な技術(例えば重力天体への着陸技術等)の実証は困難。
シナリオIII 技術実証の場として見た時に、火星より月という場を利用する方が効率的

NASAから協力を打診されている小惑星捕獲ミッションなども検討候補になっていますが、どうやらJAXA的にはSELENE-2的なものを中心に進めていきたいようです。とはいえこちらも長年予算の壁に阻まれ続けていますから、どれか決めれば必ず実現するという話でもないんですよねえ。