再突入機の空力設計〜カタチの決め方〜 [JAXA]

1996年にJ-Iロケットで打ち上げられた実験機HYFLEXについての裏話。

ここまでが「要求」や「制約」によって決まったカタチです。HYFLEXで特徴的なことは、左右一対の安定翼が付いていることです。この安定翼はある程度姿勢の安定に寄与し、また、翼に耐熱タイルを貼り付ける方法を実証するという目的もありましたが、最大の理由はHYFLEXの位置づけと関係していました。HYFLEXはスペースシャトルのような形をした有翼型のHOPE-X開発のための実験機でした。そのため、見た目が有翼機に近い印象になるように付けたものです。そういう意味では、技術的な必然性ではない設計者のいわば“遊び心”が生んだものということもできます。

リフティングボディ機であったHYFLEXですが、この実験において機体両端に付いている小さな翼はアクセントとしての意味合いも強かったそうです。なかなか面白いですね。