<小泉首相>独自の「日中友好論」展開 APEC全体会議

米中タイ3カ国の冒頭発言後、各国数分ずつ順に発言。小泉首相は議題の経済問題を外れ、唐突に日中関係を論じた。
「一つの意見の違いとか対立で、全体の友好関係を阻害してはならない。中国、韓国と政治的首脳の交流は途絶えているが、他の関係は良好だ。どんなに批判しても結構だ。私は何らわだかまりを持ってない」
ブッシュ米大統領プーチン露大統領の来日について紹介。ペルーのトレド大統領と「フジモリ問題」があっても握手したことなど、円卓を囲む各首脳との関係を引き合いに持説を強調。中国の会談拒否を当てこするかのような論法だったが、会議後、何人かの首脳から「いい話だった」と声を掛けられたという。
胡主席は反論できず、議長の盧大統領も聞き役に回るしかない状況。小泉首相は記者団に「してやったり」の表情で高揚感を隠さなかった。2日間にわたるAPEC首脳会議の全体4時間半のうち、小泉首相が発言したのは、この時と鳥インフルエンザ対策を述べた2度だけで、計10分足らず。「日中友好演説」が、APEC外交のハイライトだった。

ナイスアドリブ。