対北決議、日米が英仏案受け入れ…安保理きょう採択 [読売]

国連安全保障理事会の米英仏中露の5常任理事国と日本は15日午前、ニューヨークのフランス国連代表部で、北朝鮮のミサイル発射問題に対する安保理決議案採決に向け、前夜提案された英仏の折衷案をめぐる最終協議を行った。

中国の王光亜国連大使とロシアのチュルキン国連大使は協議後、記者団に対し、国連憲章7章への言及がない英仏案への支持を表明。米国も受け入れの用意があることを日本に伝え、日本は受け入れ方針を固めた。

これにより、同案は同日午後3時(日本時間16日午前4時)から予定されている安保理協議で全会一致で採択される見通しとなった。

日本の大島国連大使は協議後、「いい議論ができたが、まだいくつかの問題がある」と述べた。ロシアのチュルキン大使は「進展があった。最後の段階で解決すべき問題がいくつかある」と語った。

安保理は1998年、北朝鮮テポドン1号を発射した際、漁業や海運活動に危害をもたらしたこと、事前通報がなかったことなどに懸念や遺憾の意を示すプレス声明を出した。プレス声明は安保理の最も弱い意思表明で、公式の記録にも残らない。一方、決議は最も重大な決定で、法的拘束力もある。採択されれば、北朝鮮のミサイルがらみでは初めてになる。

日米の7章への言及を弱めた「修正案」に対し、7章への言及を削除した代わりにそれに代替する表現を盛り込んだ「折衷案」を英仏が仲介に入る形で提案、中国はこれを落とし所とみたようです。 日米も「7章下の決議でなくても強制的措置を取れる」との考えらしい。 どれほどのもんなんでしょう。

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修正案は、中露が問題視していた「安保理国連憲章7章のもとで行動」との条項を「7章40条のもとで行動」と修正、軍事行動や経済制裁の可能性を排除した。7章40条は、安保理が事態の悪化を防ぐため、関係国に「暫定措置」に従うよう要請できるとの規定。経済制裁をうたった同章41条、軍事行動を可能とする同章42条の前段階にあたる。

しかし、中国はこれでも「7章」が記されていることに抵抗し、修正案でも拒否権を行使すると強調した。

安保理筋によると、これを受け、英仏両国は14日夜の安保理協議で「7章40条」の削除を提案。代替案として「安保理が国際平和と安全を維持する特別な責任のもとに行動する」との文言を提示した。王光亜・中国国連大使はこの提案に「本国に売り込む」と述べ、支持できるとの考えを示した。

中国の単独拒否権による北擁護と対北決議への譲歩を同時に引き出せたのは大きいとみるべきなのでしょうか? まあ中国北朝鮮からすればこれで後が無くなったというのは間違い無さそうです。