【天声人語】 [朝日]

チンギス・ハンがモンゴル帝国を創設して今年で800年になる。帝国はアジアから欧州にまで版図を広げた。そのころ西に遠征したと思われる兵士が、白樺(しらかば)の樹皮に書き残した望郷の詩がある。「今やときぞ、我とびたたん/我は呼びかく/我が母に、何にもましていとしき母に……今こそ我、故郷に帰らん」

同じ13世紀、チンギス・ハンの孫フビライ鎌倉時代の日本に遠征軍を送る。文永・弘安の役で、いずれも失敗した。望郷の念を抱きつつ倒れた兵士もあっただろう。

この元寇の後、北条時宗は鎌倉に円覚寺を開創した。蒙古襲来による死者を、敵味方の区別なく弔うことが建立の一因だという。

今日、小泉首相がモンゴルに飛び立つ。星空の下で、元寇の時代にも思いをはせてもらいたい。自、他国を問わない弔い方は、現代の追悼のあり方にも示唆を与える。誰であれ、いやしくも一国を代表する人物なら、他国の戦没者の思いにも目を向けるべきだろう。

「遠征軍」だか「侵略軍」だかはもはや面倒くさいので置いといて、 『誰であれ、いやしくも一国を代表する人物なら、他国の戦没者の思いにも目を向けるべきだろう』 これは中国韓国に言ってらいたいところですねw そもそも小泉首相って行く先々の追悼施設に献花をしているようですが。 しかし、抗日記念館にまで行っていたとは…