「はやぶさ」の取得したサイエンスデータアーカイブの公開について [JAXA]

うははー、ついに全データ公開ですよ! いやあ凄いなあコレ、こないだ発表されたばかりの地滑りの画像もでかいサイズで見られます。 このへんとかこのへんも眼前に迫り来るような大迫力で見てるだけでニヤニヤものです。 イトカワの観測データだけでなく、他の惑星のスペクトル観測のデータや地球スイングバイ時の画像も公開されています。 こちらでは3Dモデルの飛び出し動画も置いてありますね。 シーン別、日付別でまとめられていて一括ダウンロードも出来て便利ですね。 もちろんスペクトルデータは自分が見てもわけがわかりませんがw 

小惑星探査機「はやぶさ」が帰還開始へ、観測データもWEBで無償公開 [MYCOM]

20日になってイオンエンジンの1台(Bスラスタ)に中和電圧が上昇するトラブルが発生したという。このBスラスタはすでに作動時間が9,600時間に達しており、性能の低下も見られることから、JAXAは当面、安定しているDスラスタのみを使って、帰還運転を行うことを決定した。

川口プロマネによると、地球への帰還にはあと「8,000時間から10,000時間程度、イオンエンジンの運転が必要になる」という。1台だけの運転でも2010年6月の帰還は可能で、燃料も十分あることから、これ以上壊れさえしなければ、何とかたどり着ける計算だ。

しかし、ここで問題となるのはイオンエンジンの寿命。設計上は14,000時間とされており、Dスラスタはあと3,000時間程度で超えてしまうレベルだ。もっとも、寿命については「地上では20,000時間の実証もしている。この時は途中で試験をやめたので、実際はもっと動くかもしれない」(國中均教授・宇宙輸送工学研究系)という。よりクリティカルなのは残り1基しかないリアクションホイールのほうだが、スピン安定にしてホイールを停止させるなど、なるべく温存する方法が考えられているそうだ。

4月中旬帰還開始と言われていた「はやぶさ」はどうやら25日に帰還開始ということになりそうですが、ここで新たな問題が生じたようです。 イオンエンジンは4基搭載されていて、帰還にはそのうち状態が良好な2基(B・D)を同時運転する予定でしたが、Bスラスタで劣化と思われる電圧上昇が見られ、Dスラスタと同時運転するとエンジンの寿命を縮めてしまう恐れがあるため当面は正常なDスラスタ1基のみで運用するのだそうです。 A・Cの2基は動作特性が安定していないそうですが、万一この正常なエンジンが使用不能になった場合はこれらも引っ張り出す覚悟の模様。 今回の事象で今すぐ駄目になるというものではありませんが、これで残り少ない余裕が更に減ったという事ですね。 まあ一番心配なのは残り1基となってしまったリアクションホイールですが… やはり一筋縄では行きませんね。

明日帰還開始宣言、ますます状況は厳しく [松浦晋也のL/D]

こちらで会見でのやりとりが起こされています。

國中:イオン流の電流だけ同じだけ電子を出すというもの。その電圧が上がっているということは電子が出にくくなっているということを意味する。機能としては100Vまで出すように作ってあるが、電圧が上がると寿命が短くなる。設計上は50Vを目安に作ってあるので、このままではエンジンの寿命が短くなると判断して停止した。2台を同時運転するとエンジン温度が上がり、寿命に影響する。
また、はやぶさは2台のイオンエンジンを別個に推力スロットリングする設計にはなっていない。したがってBとDを最適なスロットリングで同時運転することはできない。1台づつならば、それぞれのエンジンに最適な運転条件で運転することができる。

ちなみにプロマネ川口先生によると、はやぶさ「帰還開始」というかイオンエンジンは以前からすでに稼働しているので『帰還宣言といっても何かが変わるわけじゃないですよ』らしい。 まあ物理的に言えば確かにそうですねw