国産ジェット機の販売開始 三菱重工、30−40億円で [東京新聞]

三菱重工業は9日、70−90人乗りの国産ジェット機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の販売活動を始めたと発表した。国内や海外の航空会社に購入を働き掛け、来春までの受注状況をもとに、最終的に事業化するかどうか判断する。

MRJは、約40年前に開発されたプロペラ機「YS11」以来の国産旅客機で、開発費は約1500億円。1機の価格は30億−40億円とし、競合機を3000万ドル(約35億4000万円)程度で販売しているカナダやブラジルの航空機メーカーに対抗できるようにした。

事業化する場合には、三菱重工はMRJの販売などを手掛ける新会社を設立する方針。米ボーイング社との提携も模索している。

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会見した佃和夫社長は「これまで欧米のパートナーにとどまっていた日本の航空機産業にとって、今こそチャンスが到来した。この機会を逃せば日本が主導権を持つ民間旅客機の開発は難しくなる」と語り、事業化に強い意欲を示した。

開発するのは86〜96席の「MRJ90」と70〜80席「MRJ70」の小型ジェット機の2種類で、1機の販売価格は30億〜40億円程度。航続距離は1610〜3910キロ程度。「東京−香港」や「シカゴ−ロサンゼルス」などの短・中距離での運航を想定している。

主翼にはアルミ合金ではなく、炭素繊維と樹脂を組み合わせた複合材を採用して軽量化する。燃費性能に優れた米プラット&ホイットニー社の新型エンジンを採用し、燃費を他社比で2〜3割向上させる。総開発費は約1500億円で、経済産業省が400億円程度を支援する方針だ。

今後20年間で60〜99席の小型ジェット機は世界で5000機以上の新規需要が見込まれる。ただ、この市場は現在、ボンバルディア(カナダ)とエンブラエル(ブラジル)の2強が大半を占め、ロシアや中国のメーカーも新規参入し、厳しさを増す。日本の航空業界も「新幹線が伸びていく中、日本では大きなマーケットは期待できない」(全日本空輸の山元峯生社長)、「(機体販売後のメーカーからの)技術支援が気になる」(日本航空の西松遥社長)と購入には慎重な姿勢もうかがえる。事業化に向け「受注は1000機ぐらいはほしい」(佃社長)という三菱重工。販売活動の行方が注目される。

いよいよ正念場ですねー。 営業力に関しては色々言われますが、社運を賭けて打って出た三菱重工には何としても頑張って欲しいものです。