嫦娥打ち上げ 日本の宇宙戦略が見劣りする [読売]

共産党大会が終わったばかりだ。打ち上げを内外に公開することによって、国と党の威信を示す狙いだろう。2005年に有人宇宙船「神舟6号」を打ち上げた際も、同じように全面公開だった。

あらかじめ知らせた日時に、確実に打ち上げを成功させていることは、技術的に注目される。

いやあ、そりゃ普通は決められた日時に打ち上げるものだと思いますがねw

中国の宇宙技術はすでに高いレベルにある。長征ロケットの打ち上げも、1970年から今年で100回を超えた。日本のH2Aロケットは、まだ13回だ。

2001年から運用を始めたばかりのロケットと数だけ比べても… まあ中国も全く別系統の長征ロケットを開発するそうですけどね。

日本政府の担当者や宇宙機構幹部は以前から、中国の宇宙技術に冷ややかだった。嫦娥1号でも、「観測目標は『かぐや』とかなり似ているが性能は劣る」という内部資料を作成している。

それはまあその通りでしょう。 宇宙科学分野でのアドバンテージは現状では明らかに日本にあります。 というか中国のが皆無なんですが。

だが、そうした認識は疑問だ。

中国の宇宙開発は急ピッチで拡大している。月探査は、今回の打ち上げを手始めに月面着陸や有人探査を目指す。有人宇宙船も高度化する。地上監視衛星、独自の全地球測位システム(GPS)衛星打ち上げも進めている。

あれ? かぐやの話だったような気がしますが…

エネルギー資源が豊かなベネズエラ、ブラジル、ナイジェリアの通信衛星打ち上げを担い、資源確保の手段として利用している。フランスの通信衛星打ち上げを受注するなど、商業的にも成果を上げている。米国、ロシアを中心に日本も参加する国際宇宙ステーションへの参加にも意欲を燃やしている。

衛星破壊実験を成功させるなど、宇宙の軍事利用も進めている。

このまま、米露に並ぶ世界有数の宇宙開発国になる、という見方もある。

日本は、大型のH2Aロケットを開発したものの、予算難もあって、今後、どんな衛星を打ち上げるか、といった具体的計画に乏しい。

しかも、予算は、国際宇宙ステーションに関する経費が膨らむ中で、余裕がなくなりつつある。「このままでは、H2Aの技術維持も困難になりかねない」との声もある。

日本の宇宙開発をどう進めるか。確固たる戦略を立てないと世界の宇宙開発利用から取り残される。

このへんは大いに同意。 付き合いに引っ張られて財布がジリ貧というか、展望は持っていても戦略性がほとんど感じられないのが一番の課題だと感じます。 大型衛星ばかり(もちろん重要なものもありますが)無理に乱発するより得意分野を伸ばす方向で底上げした方が持続的な成長につながると思うんですけどねー。 そのあたりは宇宙開発基本法に期待している面があるんですが、昨今のドタバタで有耶無耶にならないか気を揉む今日この頃。