「はやぶさ」復路第1期軌道変換を完了! [ISAS/JAXA]

はやぶさ」は、本年4月よりイオンエンジンによる動力航行(参照:トピックス 2007年4月25日、ISASメールマガジン第152号)を 実施しておりましたが、予定通り第1期軌道変換が達成できたので、10月18日にイオンエンジンを停止させました。
ここまで、イオンエンジンの宇宙作動時間合計は3万1千時間、軌道変換量1,700m/sに達していますが、推進性能も推進剤残量も十分に余力を残しています。 精密な軌道決定の結果、目標通りの誘導が確認できたので、24日にリアクションホイールを停止して、姿勢制御を一旦スピン安定モードに移行させました。 スピン安定に入っても発生電力を最大限に維持するため太陽を追尾し続ける必要があります。キセノン推進剤を温存するためガスジェットを用いずに、 太陽輻射圧を用いたスピン軸制御のみで、太陽電池を常に太陽指向させる微妙な姿勢制御を実施します。
この方法で2009年2月まで運用し、その後第2期軌道変換としてリアクションホイールイオンエンジンを再起動し、2010年6月の地球帰還に向けて動力航行を再開する予定です。 今後も引き続き各搭載機器の状態に注意を払いつつ、最大限の努力をもって、「はやぶさ」運用に取り組んで参ります。地球帰還までに必要な軌道変換量は、たったの400m/sです。

素晴らしい。 帰路はイオンエンジン1機ずつで計8000〜10000時間の運転が必要だと言われており、今年4月の巡航開始宣言から単純に計算するとこれまでに4000時間強の運転を完了しているということになるので、つまり残すところあと半分!
ここで一旦イオンエンジンを落とし、1年4ヶ月後までキセノンスラスタやリアクションホイールなどすべて温存しつつ光圧による姿勢制御だけで慣性飛行を行なうそうです。 スゲエー…