元ライブドアの榎本氏、宇宙旅行費用22億円の返還を求めて提訴 [Wired Vision]

榎本氏は、モスクワ近郊のスターシティー[ガガーリン宇宙飛行士訓練センターがある]での数ヵ月にわたる厳しい訓練を終え、カザフスタンにある世界最古の宇宙ロケット発射場、バイコヌール宇宙基地での2006年9月の打ち上げに備えていた。同氏は『Soyuz(ソユーズ)-FG』ロケットと『Soyus-TMA』宇宙船で宇宙へ向かうことになっていた。

だが、訴状によると、打ち上げ予定日だった2006年9月18日(モスクワ時間)の1ヵ月前になって、榎本氏はもう一度健康診断を受けるよう求められたという。それまでの検査で同氏には腎臓結石があると判明していたが、宇宙飛行の許可は出ていた。

訴状によれば、2回目の健康診断の結果、「榎本氏の腎臓結石は、前回の検査の時よりも大きくて数が多い」ことが判明したという。

訴状はさらに、榎本氏は「2回目の検査結果について、いかなる文書」も渡されなかったと付け加え、Space Adventures社は健康問題を口実にして榎本氏をお払い箱にするようRFSAを説得したと記している。

これまでに5人以上の男女を地球周回軌道に送り込んだ実績があるSpace Adventures社は、9月24日(米国時間)に裁判所に提出した文書(PDFファイル)の中で、「医学上の問題で不適格と見なされた場合には代金の払い戻しは行なわれない、という契約なのだから、榎本氏には払い戻しを受ける権利がない」と主張している。一方、契約書(PDFファイル)には、Space Adventures社が契約通り宇宙旅行を実現出来ない場合には払い戻しが行なわれる、と書かれている。

Space Adventures社の弁護士は24日、「榎本氏は[医学上の問題で不適格と見なされた場合には代金の払い戻しは行なわれないという]契約条項を知った上で契約し、料金を支払い、数カ月にわたる特別訓練を受けた。[略]これは彼がとったリスクだった」と述べた。

榎本氏のかわりとして、富裕な実業家女性Anousheh Ansari氏がISSに搭乗した。榎本氏は、Space Adventures社はAnsari氏から「別の投資」を受け取るために榎本氏を追いやったと主張している。

流石にこれは同情を禁じ得ないレベル。 20億も払って訓練もずっと受けて、それで打ち上げ1ヶ月前になって突然「不可」だもんなあ。