宇宙発電へ前進 神大教授らマイクロ波送電世界記録 [神戸新聞]

世界初の宇宙太陽光発電衛星(SPS)計画を進める神戸大学の賀谷(かや)信幸教授(59)らのチームが、衛星システムの根幹をなすマイクロ波の長距離送電実験に成功した。実験はハワイのマウイ島とハワイ島間約148キロで実施され、これまでの世界記録を大幅に塗り替え、本格的な実証実験へ大きな一歩となった。(霍見真一郎)

賀谷教授のSPS計画は、宇宙で発電した電気を、電子レンジなどで使われるマイクロ波に変換して地上に送る。今回の実験は、計画に協力する元米航空宇宙局(NASA)幹部のジョン・マンキンス氏に、米国のテレビ局が資金援助するかたちで企画。五月十日、神戸大の研究チーム十二人と、米テキサスA&M大学の研究チーム三人が合同で実施した。

実際の送電は宇宙と地上間で行うが、今回の実験は、ハワイにあるマウイ島ハレアカラ山の約三千メートルの山頂付近に太陽電池パネルを設置。五十センチ四方の送電器八個を使い、百四十八キロ離れた南東のハワイ島マウナロア山中腹に備えた直径九十センチのパラボラアンテナに送電した。送電は二十ワットと小規模だったが、太陽光で発電した電気をマイクロ波で送受電できた。

賀谷教授によると、神戸大学東京大学が二〇〇六年、ロケットを使った実験で約百キロの送電実験を成功させているが、地上での送電距離の記録は、米国研究者がつくった一マイル(一・六キロ)が最長だったという。

成功したそうです。 これで実験衛星の打ち上げに弾みが付きますね。