JAXAの公募小型衛星打ち上げ、18年目の出発 [日経BP]

だが、今にして思えば、この時点で日本ができることはほとんどなかった。1991年の段階で、NASDAは純国産を目指したH-IIロケットを開発していた。H-IIは、衛星を搭載する第2段上部の構造が、主衛星の根元に小型衛星を搭載できるようにはなっていなかった。ロケットが加速していく際に、小型衛星の質量を受け止めるための構造体がなかったのだ。その意味では、H-IIは、アメリカの「デルタ」ロケットの設計を継承しているH-Iよりも融通が利かなかった。しかし、すでに設計変更が可能な段階は過ぎていた。

後継ロケットのH-IIAは、最初から小型衛星を搭載することが可能なように設計された。第2段上部の衛星搭載部には、主衛星とは別に荷重を受け止めることができる4カ所のハードポイントが設けられ、4機、あるいはそれ以上の数の小型衛星を同時に打ち上げることが可能になった。

H-IIAは最初からピギーバックを想定した設計になってたんですね。 ていうかH-IIの時点では対応していなかったというのは知りませんでした。

H-IIA6号機の打ち上げ失敗以降、神経質になっていた文部科学省が「主衛星の安全を危うくする小型衛星を搭載するべきではない」と主張して打ち上げ当事者らと議論になった。最終的に「サブペイロードは衛星重量には転用できないデッドウエイトを利用したものであり、ロケットの余剰能力を用いたピギーバック衛星(松浦注:相乗り小型衛星のこと)とは異なる」というアクロバティックな論理を駆使して文科省を説得し、CUTE-1.7-APDとSSPは無事打ち上げにこぎ着けることができた。

この時の議論はよほど激しいもので、同時に打ち上げ当事者にとっては憤懣やるかたないものだったようだ。M-V8号機で報道向けに配布されたプレスキットには、小型衛星の打ち上げを可能にした上記の論理が、特に赤文字で記載された。

確かにそんな事もありましたねえ。 「いやいや」の件でしょうか。 ↓の件もそうですが…

衛星の安全性を審査するJAXAの側には、どうも「書類の、書類による、書類のための安全審査」が行われている気配がある。どの衛星製作者も、せっかくの打ち上げ機会をふいにするわけにはいかないので口を閉ざすが、「なぜ審査で、どうでもいいような書類の隅を延々と指摘するのか。JAXAは仕事をすべき方向性を間違っていないか」という不満が相当うっ積しているようだ。「もしも打ち上げ費用さえ調達できるならば、ロシアやインドのロケットを使うほうがはるかに手続きは簡単」という声も聞こえてくる。

いかにもお役所って感じが滲み出てますねw まあどこも似たようなものなんでしょうが、もうちょっと柔軟に出来たらいいんですけどね。 H-IIAMHIの仕事になってますが、MHIとして有償無償にかかわらずピギーバックを請け負ったりはしないんでしょうか? JAXAが請け負うってことは、やっぱ相乗りはJAXAの衛星の時に限られるわけですよね。