政府、高解像度の衛星を開発へ…40センチの物体も識別 [読売]

政府は、物体の識別能力を示す解像度で民間の商用衛星の水準を超える世界最高水準の情報収集衛星(光学衛星)の研究開発に来年度から着手する。

2012年度に宇宙での性能を確認するための実証衛星を、14年度には新技術を搭載した光学衛星を打ち上げる予定だ。防衛目的での宇宙利用を認める宇宙基本法が昨年5月に成立したことを受けて、日本の情報衛星の性能を大幅に向上させる。

14年度に打ち上げを予定しているのは「光学5号機」。内閣衛星情報センターが光学5号機関連として09年度予算案に68億円を計上しており、解像度の向上に加え、画像の明るさを確保するための研究を行う。このほか、実証衛星の開発のため33億円を充てる方針だ。

日本の情報収集衛星は、現在、高性能のデジタルカメラで地上を撮影する光学衛星2基と、夜間や曇天でも撮影できるレーダー衛星2基で運用しており、光学衛星の解像度は約1メートルだ。

これは1969年の「宇宙利用は平和目的に限定する」とする国会決議に基づき情報衛星を非軍事分野の利用に制限してきたため、衛星の解像度などの能力は、「民間で一般的に使われている技術」に限定されていたためだ。
宇宙基本法の成立によりこうした制約が外れ、防衛省は1月16日に「宇宙開発利用に関する基本方針」を発表し、「情報収集衛星の能力強化により、入手しうる画像情報の質・量をさらに向上させる」ことを打ち出した。

解像度が高くなれば、軍事関連施設や大規模災害、事故などの状況を把握しやすくなる利点があり、光学5号機の前に内閣衛星情報センターは来年度、解像度約60センチの新たな「光学3号機」を打ち上げる予定だ。

2年程前の2007年にもH-IIA12号機で解像度60cm級の光学実証衛星をレーダー衛星と共に打ち上げてますが、どうやらそれを更に上回る解像度のIGSを開発するようです。 なんかペア2機ごとに世代更新みたいな感じですかね。