硫黄島からの皆既日食中継、その舞台裏 - 超高速ネット衛星「きずな」への期待 [MYCOM]

さて今回の日食では日本の衛星も総動員だったわけですが、特に全国のお茶の間で多くの人が目にしたであろう皆既日食のライブ映像を中継したのがこの衛星。現在硫黄島自衛隊だけが上陸できる島なので、空自の輸送機や海事の船舶で島に入ったそうです。

送信されたデータは、映像用として10Mbps×4回線(※)、IP電話5回線、この他にTV会議も行われた。普段は民間人のいない離島との間に、これだけの超高速ブロードバンド通信が実現したのだ。衛星を利用したデータ通信実験として、ここまで高速なのはこれが初めてだという。
※記事掲載当初は「16Mbps×5回線」としておりましたが、以下の理由により訂正いたしました。……7月23日夜、現地部隊(国立天文台NHKNICT)が無事に帰ってきた。その報告によると、直前の天候など技術的理由から、万一回線が切れぬよう、皆既日食中継本番時には10Mbps×4回線に伝送レートを抑えたとのことだ。実は直前に島が豪雨に見舞われており、日食の始まる少し前まで中継が途絶えていたという。

日食中継以外にも色んな通信に用いられたようです。「きずな」のアクティブフェーズドアレイアンテナは1.2mのパラボラで155Mbpsでの送受信が可能だそうですから、帯域的には結構余裕がありましたね。問題は天候だったようですが。

きずなの通信で利用される電波は上り28GHz/下り18GHzと高い周波数帯で、雨の影響をうけやすい。撮影を行う国立天文台NHKが伝送された画像をチェックし、現地の通信担当者が最適な通信状態にセッティングしていくが、「それが毎回毎回変わるんですね。テストしたときにベストでも、気象条件が変わるとまた変わる」(中島氏)。刻々と天候が変化する中で常にブロードバンド通信を確保することが最大の技術課題であったという。

最初日食前にレポーターの室山さんと繋がった時は時々映像がひっかかってましたが、やはりこれも天候の影響だったんでしょうかね。これは実験の一環であり途切れることもあると断りは入ってましたが、その後の皆既日食時からは環境が改善したのか調整が行なわれたのか、完璧な中継で実に素晴らしい映像が観られました。しかしそのせいで今度は室山さんが感激のあまりフリーズ気味になっていたのは和みましたw
しかし直前まで豪雨だったそうですが、本番ではバッチリ晴れて最高の絵が撮れましたね。硫黄島に賭けたNHKの面目躍如という感じでした。本当にGJ!