羅老号失敗原因はフェアリング未分離、衛星は消滅か [聯合]

昨日のニュースの続報。

2段ロケットは正常に点火されたが、重量が衛星の4倍に達するフェアリングが分離できずそのまま残っていたため、十分な上昇速度を出すことができなかった。このため科学技術衛星2号は、軌道進入に必要な秒速8キロメートルより遅い秒速6.2キロメートルで落下し、公転軌道に乗ることができず、地球に落下しながら大気圏で消滅したものと推定される。

どうやらやはり衛星も大気圏に落ちて燃え尽きてしまったと思われるようです。原因は衛星の4倍の重量=約400kgのフェアリングの片方=約200kgが分離しなかったため。やはりこれが一番痛かったようですね。残念ながら打ち上げは失敗という結果になりました。

韓国がロシアと結んだ協定によると、今回の羅老号打ち上げと来年5月に予定されている羅老2号の打ち上げで1度でも失敗があれば、ロシア側が1段ロケットを別途の費用なく提供することになっている。2段ロケットを覆うフェアリングは韓国の技術で開発されたものだが、ロシアが総括支援を担当しており、共同で原因を究明し、解決策を講じることになる見通しだ。

フェアリングについてはロシアの指導で韓国が開発したものだそうですが、これはなんかまた揉めそうです。とりあえず画像は公開すべき所かと思いますが。どうやらモニタカメラは積んでいたようですし。
まあロケットというものは最初は失敗してナンボの部分がありますし、1回失敗したくらいで責任がどうのこうのと紛糾するより一丸となって原因を洗い出し、次の成功に結び付けることが韓国にとって今一番大事なことでしょう。(このへんは日本においてもかなり神経質な部分ですし)

韓国の衛星、軌道に乗らず失敗 [TPS/Jメール]

的川先生による分析が。

次の決定的なイベントは、発射後540秒、高度約306 kmにおける2段目からの衛星分離だったのですが、これがうまく行かなかった模様で、やっと高度約342 kmになって衛星分離がされたと発表されています。この辺の衛星軌道投入のアルゴリズムは発表されていないので不明ですが、慣性誘導でも電波誘導でも、速度がきちんと増加していかないと衛星分離のタイミングは遅れて行くわけです。フェアリングがずっとぶら下がっていたので速度が上がらず、結局分離に許された時間のリミットまで飛んで、衛星が切り離されたのではないでしょうか。その時は衛星になるための速度は達成されていなかったのでしょう。衛星は速度不足のまま飛翔経路の頂点に達した後、海に向かって落下を開始、途中で濃い大気によって燃え尽きたものと思われます。もちろん2段目もフェアリングもろとも海に落ちたか、燃え尽きたでしょう。

これは説得力がありますね。どうやら分離高度が高くなったのはデッドウェイトによる速度不足を補おうと分離タイミングを遅らせた結果ではないかという話で、2つの事象が繋がります。

五代富文博士「宇宙開発で失敗のない国はない…叱責より激励を」 [中央日報]

五代氏は99年11月、H2ロケットの打ち上げに失敗し、苦い経験をした。当時、為政者と国民の支持がどれほど重要であるかを痛感した。メディアも失敗を叱責するより、宇宙開発振興に勇気を与える方向の論調で進むべきだ、と語った。当時ロケットの打ち上げが相次いで失敗し、日本政府は宇宙開発予算を昨年まで大幅削減してきた。

「フランスなど欧米の先進国の場合、国家元首が参観した中でロケット打ち上げに失敗しても、予算削減どころかむしろ激励するのを見てうらやましく思った。日本はそうではなかった。おそらく韓国も日本のように叱責が強まるのではないかと心配になる」

五代氏は打ち上げ失敗の原因は一つではない、と指摘した。重大な技術的欠陥もあるが、小さな不注意、不良部品の使用などが原因となるケースが多いということだ。

H2と苦楽を共にした五代さんが言うと実感こもってますよね。