HTVドッキング関連

一人実況はこの下のエントリです。にしてもJAXAのサイト、特にギャラリーがやたら重い。殺到してるんですかね?

宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機の国際宇宙ステーションとの結合完了について [JAXA]

宇宙ステーション補給機(HTV)技術実証機が国際宇宙ステーションISS)に向けて最終接近を実施した後、9月18日4時51分(日本時間)頃にISSロボットアームにより把持されました。その後、ISSロボットアーム運用により、HTV技術実証機は9月18日10時49分(日本時間)にISSとの結合を完了しました。

今後は、船内貨物についてはISS搭乗員によりISSへ順次移送され、また、船外貨物については、ISSロボットアームと「きぼう」ロボットアームを使用して、「きぼう」船外実験プラットフォームに設置される予定です。詳細の作業日程が確定次第、お知らせいたします。

無人補給機:HTVが国際宇宙ステーションとドッキング [毎日]

国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ日本の無人補給機「HTV」が18日午前7時26分、上空約400キロを周回するISSとドッキングした。電気、通信系を接続後の19日未明には、ISSに滞在中の宇宙飛行士がHTV内に入る。ISSに日本の宇宙船がドッキングするのは初めて。

無人補給機、宇宙基地に取り付け=ロボットアームで捕捉成功 [時事]

国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶため、H2Bロケットで打ち上げられた日本の無人貨物船「宇宙ステーション補給機HTV)」1号機は18日午前7時26分、ISSに取り付けられた。この後、ボルトで固定され、電気や通信ケーブルの接続作業が行われる。

日本初の無人補給機が国際宇宙ステーションに到着 [産経]

今回の成功で日本は国際的な義務をひとまず果たし、米露欧に続くISSへの独自の輸送手段を確保した。

補給機、宇宙基地に到達 日本のHTV、接続 [共同]

日本は2015年まで年1機、計7機のHTVを打ち上げる計画。実験棟「きぼう」の完成、日本人宇宙飛行士の長期滞在に続き、物資輸送の面でもステーションの運用に貢献していく第一歩となる。また、気密性を保ったまま自動航行で接近し、接続する技術を実証したことは、将来の有人宇宙船開発への足掛かりにもなりそうだ。

日本の無人宇宙船、国際宇宙ステーションにドッキング [朝日]

宇宙航空研究開発機構の山中浩二フライトディレクタは「姿勢制御用の噴射機が熱くなりすぎるなど想定外の問題もあったが、最後はど真ん中に止まれた。とにかくほっとしている。日本だけでなく、世界の宇宙開発に貢献できる成功だと思う」と語った。

スラスタの加熱はやはりあったようです。ただこれスペースシャトルと共通の部品で、次回からは確かIHI製に取って代わることになっていますので、何か別の対処が必要になったりするんでしょうかね。

HTV:2009年補給の旅 結合に成功、ポスト「シャトル」に期待 [毎日]

午前10時49分、電気、通信系が接続されて結合が完了した。HTVの管制責任者を務める宇宙航空研究開発機構JAXA)の山中浩二フライトディレクターは「通常のドッキングと異なるキャプチャー(ロボットアームでつかんでの結合)という手法を成功させたことで、今後の宇宙開発の可能性が広がった」と意義を語った。

松浦晋也さん「ほかの国と対等になった」 HTV成功 [産経]

宇宙開発に詳しいノンフィクション作家の松浦晋也さんの話 「これまで国際宇宙ステーション計画に参加するほかの国は、ステーションの運用に不可欠の技術を提供し、日本は弱い立場に置かれていた。しかし、HTVは2010年にも米スペースシャトルが退役した後は、大型の機器類を運べる唯一の手段となり、HTVなしではステーションを運用できない。日本はHTVを接続できたことで、やっとほかの国と対等な、実質的なイコールパートナーになれた。HTVの開発過程で日本は、米航空宇宙局(NASA)の持つ有人宇宙技術の一部を学ぶことができた。すぐに有人宇宙船ができるわけではないが、日本は今後、目標を戦略的に決め、必要な技術開発をしなければならない」

目うるませ「百点」 つくば管制室も拍手 [産経]

国際宇宙ステーションに物資を運ぶ無人補給機「HTV」が日本時間18日朝、ステーションに到達し、飛行管制に当たった宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター(茨城県つくば市)の管制室では管制員ら約50人から拍手がわき起こり、抱き合って喜びを表した。

午前5時前、宇宙飛行士がロボットアームでHTVをつかむ作業が完了すると、HTV運用を統括する山中浩二フライトディレクター(41)はガッツポーズ。「非常にうれしい。今日のミッションには百点を付けたい」と目をうるませた。

熱い、熱いぞ! あの渾身のガッツポーズには見てるこっちも胸が熱くなりました。しゃあああーおらぁぁぁぁぁあ!という感じで。

自動ドッキングではなく、HTVを徐々に接近させてロボットアームでつかまえてもらうのは、日本が独自に開発した技術。山中さんは「日本とヒューストン、宇宙の飛行士とのチームワークで達成できた。ドッキングという方法だけでなく、(今回の)捕まえる方法が確立できれば、新しい宇宙開発につながる」とほっとした様子で話した。

この方式はHTVが初ですから、先鞭を付けたという意味においても大きいですよね。

HTVドッキング「完璧な成功」 有人化に弾み [産経]

ISSへの物資輸送は米スペースシャトルとロシア、欧州の無人補給機に続いて4番目。HTVが今回、到達した位置は当初計画と約30センチしかずれていなかった。日本の高度な制御技術と、日米の息の合った連携が歴史的な成功をもたらした。

誤差30cmというと、もうアーム1本分の太さくらいしかありませんよね。

世界初の成功 NASAも称賛 [産経]

ともに秒速約8キロで飛行するISSへのHTVの接近は、わずかなミスでも大事故につながる。ロボットアームによる宇宙船の捕獲は世界の宇宙開発史上初めてで、HTVの正確な接近が成功の鍵だった。

米航空宇宙局(NASA)の関係者も「完璧(かんぺき)な成功だ。素晴らしい」と称賛し、ISSではドッキングを待たずに飛行士らが乾杯をした。

成功の背景には、今月11日にJAXA種子島宇宙センター(鹿児島県)からHTVを軌道投入させた新大型ロケット「H2B」の存在も欠かせない。日本の宇宙技術の集大成で臨んだHTVは、関係者も驚くほど順調にスケジュールを消化している。

HTV、予想以上にうまく進んだ ステーション接続で会見 [共同]

国際宇宙ステーションに物資を運ぶ無人補給機「HTV」が18日午前、ステーションに接続したのを受け、宇宙航空研究開発機構の虎野吉彦HTVプロジェクトマネジャー(57)が記者会見し、「予想以上にうまく作業が進んだ」と喜んだ。

成功の理由としてHTV機体が想定通りに働いたこと、管制員が多くの訓練を重ねたことを挙げ、この技術を生かした有人宇宙船開発については「道半ばだが、安全設計のめどは立った」と述べた。

また、ヒューストンの米航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターで、ステーションとの交信を担当していた星出彰彦さん(40)がテレビ会議システムでインタビューに応じ、「日本としても非常に優れた技術を誇れる日になった」と笑顔で話した。

本当にびっくりするほどトントン拍子で進みましたね。いくつかマイナートラブルはありましたがむしろ前倒しする勢い。そして有人に言及するのも忘れないw

野口さん「日本の評価、『きぼう』より高めたかも」 [朝日]

取材中、ISSのロボットアームがHTVをちょうど捕まえた。野口さんとティモシー・クリーマー飛行士(49)は、HTVの打ち上げが大幅に延期された場合はこの作業をする可能性があって、訓練も重ねていただけに、感激もひとしおの様子だった。

クリーマーさんはテレビを見て「やった!」。野口さんも「最後までスムーズだった。全然ぶれず、見事だった」と、現在、長期滞在中でアーム操作を担当したニコール・スタット飛行士(46)をたたえた。

そして「HTVの打ち上げは、ISS参加のどの国も非常に注目していた。宇宙船を単独で上げるという意味で、実験棟『きぼう』よりも、日本の評価が高くなったのではないかと思う」とも話した。

「HTV」ドッキング成功 宇宙飛行士・野口聡一さん、ドッキングの意義を語る [FNN]

12月から国際宇宙ステーションに日本人として最長の半年間滞在する野口聡一さんが、FNNのインタビューに答え、HTVのドッキングの意義を語った。
野口さんは「これはですね、日本ではむしろ気がつかないんですけれども、アメリカ、ロシア、ヨーロッパも含めて、非常に注目されていますね。やはり大きな一歩だなと思います」と話した。
野口さんはまた、日本の文化を宇宙ステーションで楽しみたいとの計画を明かした。

確かにぐっさんの会見も同時進行でしたねw 野口さんの飛行は3ヶ月後なので惜しくもHTVとは入れ違いになりますが、いつか日本人飛行士がHTVの扉を開くシーンが見られることを期待してます。
そしてぐっさん曰く、海外からの注目がとても高いそうです。ずっとアメリカとかロシアとか飛び回っているだけに、これは実感でしょうね。

H-IIBとHTVの成功が意味するもの より根本から考え抜いた戦略の構築を [日経BP]

チクリと刺すのを忘れない松浦さん。

しかし、過去の経緯を見るならば、それは狙って達成したものではなく、幸運にも結果として得られたものだ。H-IIBもHTVも企画段階から開発に至るまで、様々なブレと思惑違いが存在し、一歩間違えば日本の宇宙開発の将来を閉ざす可能性があった。

H-IIBは「手持ちの技術を組み合わせ、開発要素を最小限に絞りつつ、16.5tのHTVを打ち上げられるようにする」ことのみに集中して開発されたロケットなのである。

だからH-IIBは、ロケット工学の面から見ると、あまり「きれいな設計」ではない。大型化された第1段に比べて、H-IIAのままの第2段は小さすぎる。2段の直径を5.2mにして推進剤の量を増やせば、打ち上げ能力はもっと上がるだろう。

また、エンジンを2機装着した第1段は、典型的な「ダメな双発機」の設計である。双発の飛行機は、エンジンが1機故障しても飛行し続けられるように設計する。エンジンが1基故障したら飛び続けられなくなる双発機は「ダメな双発機」だ。H-IIBの第1段は、エンジンが1基ダウンすれば打ち上げが失敗する。その一方でエンジンを2基積むことで故障する確率は上昇している。

確かに2段目の強化は検討事項ですね。しかしH-IIBを「ダメな双発」と言ってしまうと大半のクラスタ型はダメな双発ですよねえ、最高の信頼性を持つと言われるソユーズからして。松浦さん曰くFalcon-9的なもの(推力約60トン×9基クラスタで、2基停止まで許容)を念頭に置いたそうですが、あのクラスを開発するとなると今ちょうどあるのは… LNG? SRB-Aを排除して下段をLE-7Aだけで固めるとか? まあそれはいささか冗談にしても、今からLE-7A以上の信頼性を確保し直すとしたら2〜300億じゃ納まらないでしょうし、リソース的に考えてもH-IIBはベストではないにしてもベターだったとは言えると思います。

それに対してHTVは、シャトル引退以後、「HTVでなくては運べない、ISSに必須な物資」が発生する。「日本がISS計画に参加し続けなければ、ISSが維持運用できない」という状況になる。

これまで、アメリカ、ロシア、欧州、カナダはそれぞれ「その国が参加し続けないとISSが成立しない」というISSにとって基本となる役割を果たし、発言権を確保してきた。日本は、HTVのISSへの接続が成功したことで、やっとこれら主要計画参加国と同等の立場に立つことができたわけだ。

だが、その真のイコールパートナーとしての立場も、そうなることを目標に戦略的に詰めていった結果、得られたものではない。多分にスペースシャトルの引退という外的な状況の変化の結果だったと言うべきものである。

それが米航空宇宙局(NASA)との折衝の過程で、有人対応の安全性基準の適用を求められたことから、設計は変化していった。ランデブー系統は3重、その他の部分も2重の冗長系を備えることになった。また当初のHTVは、コストダウンのために太陽電池を持たず、搭載バッテリーのみで運用する設計だったが、これも後から太陽電池を搭載することになった。後付けをしたために、より効率よく電力を発生する太陽電池パドルを搭載できず、太陽電池は本体表面に並べるという、電力発生という面では効率の悪い搭載方法を採用した。

これらの設計変更は、本体重量の増加を招き、打ち上げのためにH-IIBロケットを開発しなければならなくなる原因となった。

電力系を始めとしてNASAの要求する条件に合わせて設計変更したためにツギハギになってしまった部分は今後改良するべく検討されていると思いますが、シャトル引退決定後に一気にHTVの存在感が出てきたのはJAXAの中の人も言ってるとおりですね。棚ぼたではありますが、有人機への発展にしてもまずその根拠となる現物を飛ばして世論に対しても存在感を出すことが大事ですよね。現に報道でも「有人」の文字が踊っていますし、社説を見てもほとんどがそこに言及しています。確実に後押しはありますから、独自の有人計画についても今が煮詰め時だと思いますが、政権交代JAXAの立ち位置も明らかに変化していきそうですしそこは民主党がどう出るかが鍵です。前原さん的にはやりたいなーという気持ちだそうですが。