平成21年宇宙開発委員会(第27回) 議事録 [宇宙開発委員会]

「きらり」や「IKAROS」など。

【池上委員】 非常におもしろいお話なんですが、今回やっているのは、太陽電池で発電した電力は、特には使わないわけですね。

JAXA(森)】 はい。発電の実験のためだけに使って、具体的にそれで何かの機器を動かすということはやらない予定です。

JAXA(森)】 まず、今の薄膜の太陽電池は25ミクロンなんです。これは、民生品、もう実際売られているレベル。その売られているレベルで一番薄いものを採用しているということです。

【青江委員】 これは民生品レベルですね。

JAXA(森)】 はい。民生品レベルです。ただし、材料を一部かえて薄くすることも実はやっていて、それもできる。それを搭載しようかという案も一時はあったんですけど、やはりちょっと手堅くやろうということで。技術的には、この民生品レベルを材料をかえて10数ミクロンまで落とせているというところまでは確認しましたけど、今回は、やはり手堅くやろうということで、25ミクロンのを採用しました。で、将来考えているのは、そもそも今回搭載するアモルファスシリコンタイプのものではなくて、CIGSというタイプのものを採用する予定です。これは、今、薄さという話がありましたけれども、薄さの方をきわめているというよりは、効率をきわめているという方向、薄さもある程度薄いんですけれども、そちらは、ある程度限界がありますので、高効率化という方向で目指しています。今回のタイプだと電力変換率が5%程度なんですけど、CIGSですと、試作品レベルで10数%という数字が出ていますので、それをさらに高めていけば、厚さを縮めるよりも、はるかにそちらの方が効率がいいということで、そういう方向性を考えています。

ソーラー電力セイルの「電力」の部分は完全に実証専用のようです。将来的にはなんか更に薄く効率の良いものが既にある模様。

【池上委員】 IKAROSという名前をつけると、何か失敗することを前提にしているような気もするけど、それはよろしいんですか。

JAXA(森)】 いえ、名前はですね。

【松尾委員長】 1文字かえてあるんじゃないかな。

【池上委員】 そうですか。太陽に向かって飛んで行って、ろうで作った羽が溶けて、落ちていくっていう。

JAXA(森)】 いや。これはですね。むしろ、これは気持ちの問題ですけれども、その気概というのか、自分たちで羽を作って、最初に飛んだという、むしろ、そっちの気概をかって、我々としては、この名前をつけております。

あ、一文字違うなら ⊂(^ω^)⊃セフセフ