衛星中継対談時間切れ、野口さんが児童に気遣う電話/茅ケ崎 []

野口さんからの電話を受けたのは、茅ケ崎市立浜須賀小学校6年の山中英里さん(12)。VIPコールに野口さんの母校である同校から児童8人が参加し、山中さんはその中の一人に選ばれていた。

「宇宙にいる人と交信できるのをすごく楽しみにしていた」と山中さん。だがVIPコールでの交信時間は7日午後9時35分から20分間。野口さんが7人目の児童の質問に答えたところで時間切れになってしまった。山中さんは「宇宙の都合もあるから仕方がないと思ったが、ショックだった」と振り返る。母親の雅子さん(42)は「家に帰ってきても沈んでいた」と明かす。

そんな教え子の様子を心配した同校の高橋正通教諭(59)が、JAXAに連絡。メッセージだけでもいいからと山中さんの連絡先を伝えた。

すると、翌8日午後8時ごろ、山中さんの家の電話が鳴った。雅子さんが出ると、電話の相手はこう告げた。「宇宙飛行士の野口聡一です」。野口さんは山中さんに質問できなかったことをわび、「国際宇宙ステーションで湯を沸かすことができますか」などの質問に「電気ポットで70度ぐらいまで沸かせます」などと答えたという。

山中さんは「今までの人生で一番驚いた」と振り返り、「『立ち直ったので大丈夫です』と伝えたら、野口さんはホッとした様子だった」と話した。

「教員一同、大感激です」とは高橋教諭。JAXAによると、野口さんも山中さんだけが質問できなかったことを気にしていたという。高橋教諭は「子どもたちにとっても、誇りに思える優しい先輩です」とほほ笑んだ。山中さんは野口さんにお礼の手紙をしたためた。預かった高橋教諭は近く、JAXAに郵送することにしている。

ええ話や…