はやぶさ後継機に文科相前向き 関係者が表敬訪問 [産経]

約7年ぶりに地球へ帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の計画を率いてきた川口淳一郎宇宙航空研究開発機構JAXA)教授らが21日、川端達夫文部科学相文科省大臣室に表敬訪問した。後継機について川口教授は「技術や取り組み方などを次の世代に伝えたい」と話し、川端文科相は「今回の成果をふまえ、しっかりとしたい」と前向きに応じた。

表敬訪問にはJAXAの立川敬二理事長や後継機「はやぶさ2(仮称)」の責任者をつとめる吉川真准教授らが同席。はやぶさについて川端文科相は「国民の皆さんも非常に強く関心を持った。久しぶりに元気が出るメッセージを出してくれた」などと絶賛した。

宇宙機のプロジェクトで表敬訪問というのはなかなかありませんよね。後継機計画への後押しになるのは間違いなさそうですし認知度が上がるのは良いことだと思いますが、「はやぶさ」だけが持てはやされるのではなく他の大事なプロジェクトにも目が向けられる事になるよう願います。

また川口教授は豪州の砂漠地帯で回収されたカプセルやパラシュート、耐熱材などについて「夏休みに多くの子供たちに見てもらいたい」と展示の準備をしていることを明らかにした。

はやぶさを開発したJAXA宇宙科学研究所相模原市)や、今年4月の事業仕分け第2弾で廃止と判定された広報施設「JAXAi」(東京都千代田区)などでの展示を目指しているという。

うは、本当に夏休み公開来るんですか? これは見に行かざるを得ない! 一般公開でお披露目されたらウハウハですが、混雑が物凄い事になりそうな気もしますw

「はやぶさ」カプセル、夏休みに公開へ [読売]

同機構の広報施設「JAXAi(ジャクサアイ)」(東京・丸の内)でも、8月中旬に1日だけ展示する。

どうやらJAXAiは1日限定のようです。

次は生命、海の起源解明へ=予算が懸案・はやぶさ2 [時事]

小惑星イトカワ」まで往復7年、60億キロを旅した探査機「はやぶさ」が帰還し、オーストラリアの砂漠に落ちたカプセルが回収された。小惑星の微粒子が入っていれば史上初で、太陽系の進化解明が期待される。宇宙航空研究開発機構の吉川真准教授らは、次は有機物や水を含む鉱物が多い小惑星の岩石を採取する「はやぶさ2」を開発、生命や地球の海の起源に迫ることを目指している。
はやぶさ2では、変質していない小惑星内部の岩石を採取するため、爆薬を詰めた「衝突体」(直径約20センチ、重さ約10キロ)を突入させ、直径2〜7メートルの小クレーターを作る。米国が月や彗星(すいせい)で行ったことがあるが、小惑星では初めて。イトカワで投下に失敗したミニ探査ロボットも再挑戦。故障した姿勢制御装置などは改良する。
目標の小惑星「1999JU3」は、イトカワ同様に地球と火星の間にあり、長さは約920メートルと一回り大きい。2号機を2014年か15年にH2Aロケットで打ち上げれば、18年6月に到着して観測と岩石採取を1年半行い、20年12月の地球帰還を見込める。その次の打ち上げ機会は24〜25年になるため、早急に開発に着手する必要がある。
懸案は予算の確保だ。はやぶさ2の製造費は1号機の127億円を上回る160億円程度だが、今年度予算は3000万円にとどまった。宇宙機構の予算には余裕がないのに、政府の宇宙開発戦略本部の懇談会は、15年に月面に探査ロボットを着陸させる「かぐや」後継機に600億〜700億円掛ける計画を提言しており、楽観できない。

はやぶさ」後継機はサイエンスに的を絞ったものなので軌道的な意味で明確なタイムリミットが存在します。JAXAが今後計画中の観測衛星は大雑把に言って1機当たりの規模・予算が半分くらいになってますので、やりくりすれば十分回せると思うんですけどね。160億でもかなり格安ですし、H-IIA打ち上げなら設計をキリキリ絞り上げる苦労も緩和されそうですし。まあこの辺については色々と話があるようですがそこは後ほど…。

「はやぶさ」帰還 喝采の陰で忍び寄る「成果の風化」 [日経]

はやぶさプロジェクトは大成功といえるだろう。だが、米ロといった宇宙大国に先んじた技術やノウハウの維持・継承は危うい状況だ。
地球帰還の熱も冷めやらない16日、国の宇宙開発委員会は文部科学省(東京・霞が関)で、プロジェクトの責任者である宇宙機構川口淳一郎はやぶさプロジェクトマネージャから報告を受けた。「14日から管制室は真っ暗です。企業関係者もまったくいません」――。川口マネージャの説明を聞いていた委員会の委員たちは一様に驚いた。はやぶさが無事帰還したことで、はやぶさを操作した運用班は事実上、解散したのだ。「はやぶさで培った技術の風化はすでに始まっている」と川口マネージャは語る。

はやぶさ2」が2014年に打ち上がったとして、それでも「はやぶさ」の打ち上げから11年のスパンがあるんですよね。はっきり言ってコスパは凄まじいです。危険なくらいの低さで、NASAの人もそこを「大丈夫か」と言ったほどだそうです。NASA版「はやぶさ」とも言えるOSIRIS計画の予算規模はおよそ500億円ですが、これに日本は先行しているわけです。小惑星探査の分野において文字通りの世界一です。少なくとも現時点では。これを一発屋で終わらすなんて有り得ませんよね。