流れるのが惜しいので保存シリーズ [副長日誌]

今回はラジオ番組出演の起こし。毎回レポってくれてる方々本当に有り難うございます。

 通信途絶の方というのはとりあえず何していいかわからないような状態ですよね。
 音信不通ですから、だからウンともスンともいわない状態で。
 そっちの方が本当にですから検討してもらうにもですね、メンバーがやって来てもすることがないですからね。そちらの方が自然に足が遠のいちゃいますよね。
 これはですからプロジェクト全体の中で一番辛かったことですね。

 川口:結局遠のいてしまうのは遠のいてしまうんですけどね。ただ色々タスクというか検討事項というのを思いついたら色んな人にお願いして。
 お願いするとその人はそれをやるということは発生しますよね。
 それから小さなことですけど、運用室はまだ開店してますよっていう、閉じてませんよという為にはもちろん行くことが大事ですよね。部屋に行くことが大事だし。わざわざポットのお湯を入れ替えに行くとかね。そうするとここは常に人がいるという雰囲気がわかりますよね。
 行ってみてお湯を出してみるとお湯が水だったりするとこれは何日も来てない証拠じゃないですか。
 だからそういうことで、まだ閉店してないよというのは大事ですよね。そういうメッセージを発信することは。

 アナ:それを川口さんがリーダー自らがなさったんですか?

 川口:ああ、僕やってましたね。お湯替えてましたね。
 通信復旧したらお湯替えなくなりましたけどね(笑)。

プロジェクトマネージャー自らポットの湯沸かし。どうにもならない状況でチームを繋ぎ止めるというのは並大抵ではありませんね…。

 もう色んな対応するために、色々教えこむんですね。
 こういう時にはこうしろ、こういう時にはこうしろと、こうやってこうなったらこうしろとか。二重三重のそのまあ言ってみれば躾けをするわけですよね。
 だからそうやって育て上げた子供のようなものなので。
 そうやって子供のようにして躾ければ躾けるほどさっきのイオンエンジンの運転もそうですけど、ですからちゃんと動けよと言ってちゃんと動いたわけですから。
 動いたっていうことは、だからほんとは逆をいえばその先は大気圏に突っ込まなきゃいけないよとそう言っちゃうことになるんですよね。
 だから、いい子であればいい子であるほど複雑ですよね。

 川口:ええ。これ本当はですね。この運用はしなくていいんですよね。

 アナ:カプセルを投下すればもうそれでって。

 川口:そうですね。それこそ3時間前でそこで運用は終わっていいんですけど、だけど運用に携わっているメンバーはこの打ち合わせをしている時も誰からも異論は出なかったですよね。

 アナ:はやぶさに地球を見せてあげたかった。

 川口:そうですね。  
 アナ:そのはやぶさが見た地球の映像をご覧になってどうでした?

 川口:ほんとにあの写真はほんとに涙目で見たような写真ですよね。

 アナ:そうですね。涙があふれてるようなそういう写真ですよね。

 川口:で、下の方が送りきれない部分があってデータがだからそこまで通信がとれなかったんですけど。
 あの〜まあ、ほんとに最後の最後にそういう意味ではふさわしいかもしれませんね。

 アナ:そういう意味では科学者とか研究者のお一人の川口さんの研究のありよう、感情をいっぱい込めて吐露されたっていうところがですね、私たちにとっては驚きでありでもやっぱり感動なんですよね。

 川口:うん、まあ、そういうことをすべきじゃないと言う方もおられるからあんまりあれなんですよね。だからもっとドライに考えるべきだという方もおられるんですけど。運用自体は決して感情に流されるというような運用はしてきたつもりはないですね。
 すべて論理的にやってきたつもりです。ですから画像を写すというのは、カプセルを分離する前には絶対に行わなかった、行えなかったですね。

いやーまあ、あの光景を見ると感情も揺さぶられますよw たとえそれがモノであっても、長年手塩に掛けてきた相棒に愛着心が湧くのは全然不自然な事じゃありません。
それにやっぱり川口先生は運用にかけてはかなりシビアだったと思いますしね。ずっと見ていると。