8月18日「「はやぶさ2」の全容が姿を現した」 [KU-MA]

 「はやぶさ」についての世論の未曾有の沸騰もあって、ワーキンググル ープから順番に数年をかけながら昇格していく方法ではなく、2007年6月 にはプリプロジェクトとなり、最近になって直接宇宙開発委員会に提案さ れ、「開発移行」の「お墨付き」を獲得した。しかし、既存の計画の間に 後から入ることの難しさはまた格別であろう。これからの関係者の奮闘に 期待したいものである。

 ここで一応、ライバルと目されているNASAの「オシリス・レックス」計 画について述べておこう。このミッションは、1999 RQ36と名付けられた 小惑星をターゲットとしている。この小惑星は、7月下旬に「2182年に地 球に衝突する可能性がある」と取り沙汰されて有名になった。とすれば、 そのサンプルを地球に持ち帰れば、従来から話題を呼んでいる小惑星の地 球衝突の問題に関連して、衝突の予測精度を上げたり、衝突を回避する手 段を研究したりするのに、非常に資するところがあるに違いない。現在は、 月ミッションと金星ミッションをライバルとして最終選考が11月に行われ ると聞いているが、もし「オシリス・レックス」にゴーサインが出ると、 探査機は2016年に打ち上げられ、小惑星表面のマッピングとサンプル採取 が行われる。「はやぶさ2」の2014年打上げが実現しないで、「オシリス」 が海の向こうで認可されると、「はやぶさ」の頑張りは「めでたさも中く らい」にならないか。

OSIRIS-REXの動向も気掛かりですが、スペースガード的な観点でいうと小惑星探査全体で意義がありますね。イトカワが当初一枚岩のような塊であると思われていたのが実際は複数の岩塊の寄せ集まったものであると解ったことはその方面でも成果と言えるのではないでしょうか。この2機で得られる知見はきっと大きなものになると思いますよ。勿論そこに先駆けるのは是非とも「はやぶさ2」でありたいものです。