「きぼう」実験トラブル、4割は人為ミス 経験不足が浮き彫りに [産経]

 国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」で2年間の実験運用中に起きたトラブルのうち、約4割は人為的なミスが原因だったことが宇宙航空研究開発機構JAXA)の調査で分かった。地上の管制員や宇宙飛行士の「うっかりミス」が頻発した時期もあり、日本の有人宇宙活動の経験不足が浮き彫りになった。

 重大なミスはなかったが、JAXAは「実験準備や管制員らの訓練が不足していた。基礎訓練をしっかり行い、飛行士との意思疎通も充実させて改善したい」としている。

 きぼうで科学実験が始まる前月の平成20年7月から今月中旬までのデータを分析。実験の不具合や異常の報告は計299件で、全体の63%は機器やソフトウエアに原因があり、37%はヒューマンエラーだった。

 ミスは新しい実験の開始時に多発した。不慣れな管制員が端末操作を間違えたり、手順を誤ったりしたほか、きぼうの通信状態を確認せず、回線がつながっていないのに操作信号を送っていたケースもあった。

 一方、宇宙飛行士は実験開始に必要な操作をやり忘れたり、実験の手順書を途中で読み飛ばすなどのミスがあった。手順書の理解度は、飛行士によって個人差が大きかったという。

 ヒューマンエラーを要因別に見ると、誤記など手順書の不備が49%と最多で、次いで管制ミスが27%、飛行士のミスが11%だった。

 実験を行った主な飛行士は若田光一さん、野口聡一さんや米国、欧州などの計13人。JAXAの管制員は計約120人のうち約50人が実験を担当した。

経験不足というか、有人設備を運用するのは初めてですしね。ロケットの打ち上げとかでもそうですが、基本的に頻度が減るほど修練度が低下して不適合が増えますし、間を置かずに実施すれば不適合は明確に低下する傾向にあります。有人運用経験を積むのも「きぼう」の意義の一つ。
記事を読む限りはヒューマンエラーのうち管制との間で手順を誤ったりマニュアルの不備だったりが大半のようなので、しっかり詰めていけば改善出来るでしょう。ノウハウは実際の運用で蓄積されるものですしね。