日本版GPS、展望開けず 衛星2機目以降は白紙 [朝日]

 計画が始まった10年前、目的は位置測定に、通信、放送も加えた3本柱だった。三菱電機日立製作所トヨタ自動車などが会社を作り、民間の利用や負担をとりまとめようとした。ところが、光ファイバー地上デジタル放送の普及で、通信や放送への利用が期待できなくなり、会社は2007年に解散。政府だけで打ち上げることになった。

 約735億円の開発費は、文部科学省が6割、残りを総務省経済産業省国土交通省が負担する。3機体制には、さらに700億円必要だが、新たな負担には難色を示す省庁が多い。GPSが無料で使えて現状でも不自由がないだけに、民間からの資金も期待薄だ。

 こうしたなか、「安全保障」や「社会インフラ」として、意義を見直す動きが浮上している。GPSだけへの依存は、米国の更新予算不足や有事の際の運用変更のような不安が残るからだ。

 前原誠司宇宙開発担当相(国交相)は「情報収集システムを高めるうえで極めて重要。最終形が3機なのか7機なのか、検討を委ねたい」と記者会見で話した。

 「7機」は特別な意味を持つ。3機ではGPSの補完、補強にとどまるが、7機ならGPSに頼らず、自国周辺の上空で位置測定ができる。衛星測位システム協議会の西口浩事務局長は「社会インフラととらえ、国家戦略として位置づけを検討する必要がある」と話している。

前原さんはもう3機以上がデフォみたいに言ってますが、やはり予算の壁はしっかりあります。あとGPS無しで独自に測位する場合は7機必要らしいですが、その場合何機かは静止軌道に配置することになるんでしょうかね。