月全体の画像撮影は「嫦娥2号」の目標ではない [人民網]

 ネットユーザーが期待している月全体の画像について、李氏は「7メートルという高解像度で月全体をとらえることを期待しているが、この解像度で全体を捉えるのは非常に難しい。米国、日本、欧州の宇宙開発機関でも解像度10メートル以上の月全体画像を捉えたことはなく、100メートル以上が関の山だ。高い解像度の月全体画像をとらえようとすれば、データ量が膨大になり、軌道の制約等を受けることから、完全に月全体をカバーするのは難しい。長いスパンをかけ、予想だにしない様々な要因を解決していけば、いつか完璧なデータをとらえられる」と説明し、「今回、月全体の画像がとらえられるかまだわからないが、もとから嫦娥2号の目標には入っていない」と付け加えた。

確かにその通りで、あまり細かく見えすぎると逆に視野が狭くなるので全体を観測するのにとても時間が掛かってしまいます。月は重力分布にムラがあって軌道が不安定で寿命が短くなる。例えば最高50cmという分解能を持つNASAのLROは月全球の1割程度しかカバー出来ないといいます。勿論これは目的が違うためで、嫦娥2号と同様に将来ミッションでの着陸地点を詳細に観測するため。「かぐや」などは月全体のデータを出来るだけ詳細に取得するという条件であのスペックに設定されています(分解能1mも可能だが分解能10mによる月全体のデータを選んだ、ということをプロジェクトチームの春山さんが「月のかぐや」で述べていました)。

嫦娥2号が撮影した月面写真、無料でダウンロード [人民網]

 月探査衛星「嫦娥2号」が撮影した月面・虹湾の画像が8日、北京で公開された。嫦娥計画地上応用システムの総設計師、李春来氏が9日、記者とネットユーザーの質問に答えた。

 中国地上応用システムはウェブサイト:http://moon.bao.ac.cnでデータを公開している。ネットユーザーはこのウェブサイトから嫦娥1号と2号が撮影した数多くの写真やデータをダウンロードすることができる。「これらのデータや写真にはロゴも入っていない。月探査計画は国家的なプロジェクトであり、その成果とデータはみなで共有するべきだ」と李氏は紹介。

虹の入江の高解像度画像がどこにあるかよく分かりませんでしたが、こちらなんかは嫦娥1号のデータで作られた全球画像ですかね(何故か何度か表示エラーが出た)。いい感じですね。