はやぶさブリーフィング11月第2回 [大塚実の取材日記]

定例のブリーフィングが本日開かれました。

B室を開けるためには
ひっくり返さないといけない

まだA室に残っているかもしれないので
シャーレで蓋をして
ひっくり返したところ
またたくさん微粒子が出てきた

今回は光学顕微鏡で見える程度のサイズ
ざっと見た感じ数百個くらい出てきた

クオリティからすると
9月末だったかに回収した60個
それと同レベルのもの

初期分析にまわせる比率は
サイズ分布が違うので一概には分からないが
岩石質よりは人工物の方が多いと思うが

岩石も同じような比率だとすると
人工物が2で岩石質が1とか
正確ではないがそんな感じかなと

なので結構な数があるのではないかと期待したい

Q 読売
新たに見つかった数百個
10ミクロン〜数十ミクロンでいいか

A 正確なサイズは測っていない
数10ミクロンなのか100ミクロンなのか
曖昧な状態

Q じゃあ数十から数百…

A 数百もあったら目で見える
大半は10ミクロンのオーダー

B室に行くにはサンプルキャッチャーをひっくり返す必要がありますが、そのついでに叩いてみると大きめの粒子がパラパラ出てきたそうです。肉眼では厳しいが光学顕微鏡で見えるサイズ。小さい方でもスライスや分析は出来ますが当然大きい方が楽になります。

Q NHK
シャーレの上でトントンは初めて?

A もともと開けて最初にやる作業は
自由落下法(トントン)というのが最初の手段であったが
最初見て何もなかったのでそれはやらずに
ずっと顕微鏡でやってきた

今回はどうせひっくり返さないといけなかったので
ついでにやってみらたこんなに出てきた

Q 朝日
今にして思えば、最初にやっておけばよかった?

A 上野
トントンはしてなかったが
作業の過程では
粒子は確認できなかったので
作業を進める間に落ちやすくなったのかも
耐電状態がいまとは違うと思う

Q 石英のシャーレに落としたのか?

A そう

Q 赤旗
トントンといのは
何をどうトントンしたのか
もう少し詳しく

A 向井
私がやったのではないので詳しくはないが
実際はキャッチャーハンドリングユニットがあって

シャーレで蓋をして
どこを叩くか決めて
側面を叩いたんだと思う

みんなしてトントントントンww 何だこの流れwww
最初に開封した時には肉眼で何も確認出来ないレベルだったのでトントンせず顕微鏡での作業を優先させたようです。何があるか分からないのにどこか行っちゃうと困りますしね。あと静電気が弱まったので壁面から離れやすくなったというのもあるかもと。
最初からこうしていれば…という話も当然あるかも知れませんが、逆にヘラに付いた大量の極小微粒子を電子顕微鏡で直接一気に見られるようにしたからこそ早期の同定に繋がったのではないかと思いますし、むしろそのおかげで大きめの粒子もイトカワ由来の可能性が高まったと言えるのではないでしょうか。光学で見えるサイズのは何時間もかけて1粒ずつマニピュレータで摘み上げて電子顕微鏡に回す…という地道な作業をしてましたから。

A 上野
今後B室を開けてどうなっているかにかなり依存する
A室からかなり出てきたとはいえ

初期分析だけじゃなくて
今後プロポーザルを出してもらって分析してもらうときは

小さい粒子でもできる研究はなるべく小さい粒子で
大きい粒子は大きい粒子でないと実験できないものに
多分そういう形になる

もし大きい方がイトカワ由来と判明しても小さい方も歴としたサンプルなので、用途を分けて活用する事になるようです。

Q 読売
今後の予定
B室の開封はいつくらい

A さあ
予定としては今週末か来週か

開封にはまずワイヤリングを切らないといけない
切れば粉が出る

粉が入らないように
慎重にしないといけない

なるほど、資料汚染を避けるのもあると。いずれにしても既にB室を開ける作業に入っているので、月明けには来そうな感触です。