技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)による東北地方太平洋沖地震の災害対策支援における人工衛星回線の接続開始について [JAXA]

ついに「きく8号」も出動。移動体通信の面目躍如ですね。

 JAXAでは、岩手県大船渡市より要請を受けた文部科学省の依頼に基づき、本日24日、大船渡市役所に「きく8号」の地上アンテナと可搬型通信実験用端末を設置し、大船渡市役所―筑波宇宙センター間において、(独)情報通信研究機構NICT)の協力の下、「きく8号」による最大768Kbpsの衛星通信回線を接続しました。
 これにより、大船渡市役所職員によるPCからインターネット接続しての情報収集が開始されました。今後、市役所や現地消防署等でのインターネットおよびIP電話等を利用しての連携強化のための情報共有としての利用が開始されます。
 また、大船渡市役所に設置した可搬型通信実験用端末は「きく8号」の特徴である小型の通信実験用端末であり、移動・設置することが容易であることから、避難所等からのインターネットによる情報発信が可能となる等、今後の災害復興の一層の円滑化が期待されます。

 なお、超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)は、既に岩手県庁災害対策本部(盛岡市)と県沿岸広域振興局(釜石市)に「きずな」の可搬型アンテナを設置し利用されていますが、岩手県よりの要請に基づき、これに加えて、県沿岸広域振興局(大船渡市)にも「きずな」の可搬型地上アンテナを設置しました。

 JAXAでは、「きく8号」および「きずな」を用いた災害対策に資する通信衛星の技術開発等を実施しており、その一環として、災害復興の支援に取り組んでまいります。

「きずな」と「きく8号」の違いは大容量を取るか移動体通信を取るかというところにあり、「きく8号」の場合は設置がより容易となっています。実は大型展開アンテナの受信側が使えない状態ではありますが、見ての通りわりと簡単に設置できます。
また「きずな」も大船渡市に新たに回線を設置し、徐々にネットワークが広がっているようです。