わが国の周回衛星の寿命と電力システムへの私見 --「だいち」運用終了を機に -- [宙の会]

・衛星規模では質量に対する発生電力の関係が、国内衛星は外国より密度が高い。例えば、2t級でも

4Kkw超え、3.5t〜4t級で4.5〜7kw、外国衛星では3〜8t級でも2〜4kwと、衛星形状(容積、表面積)とある程度リンクする質量/発生電力比が2倍以上で電力にまつわる熱処理能力や耐性が高く要求される傾向がある

・特に国内衛星で軌道上故障を起こしている4衛星でみると、ADEOS/ADEOS-2はその原因が太陽電池パドルの破断と電力線の発熱によるショートと同定し、後続機へ対策も採られたが、情報収集衛星「IGS-R1/-R2」の2機は5年の設計寿命に対しいずれも4年未満での電源系の異常による運用停止と公表された

比較図がありますが、こうして見ると確かに日本の場合はかなりの大電力を出す衛星が多いですね。ていうか「だいち」は「みどり」シリーズより2kWも上だったのか。IGSの場合は既存のUSERSバスを流用しているらしいという話がありますしあまり最適化されてなかった可能性が…あるかどうかは知りませんが、この辺を煮詰めていく必要がありそうですね。