電波天文衛星(ASTRO-G)の状況について [JAXA]

  • 約1年半にわたる検討の結果、現在達成可能なアンテナ鏡面精度ではサイエンスの重要な部分が達成できないこと、サイエンス目標を達成可能な範囲に縮退したとしても、当初を大きく上回る資金と期間が必要であること等が明らかとなった。
  • これを受け、コミュニティによる科学的価値の評価等を経て宇宙科学研究所としてASTRO-G中止の意向を固め、JAXAの経営審査においてプロジェクトを中止する方向で宇宙開発委員会に評価を提案することが妥当との結論を得た。
  • このため、ASTRO-Gプロジェクトを中止する案について宇宙開発委員会での評価をいただきたい。

これらの技術実証により、ミッション期間の半分に当たる打上げ1.5年後まで鏡面精度1.0mm rmsを実現できる見通しが得られたが、サイエンス要求を満たす鏡面精度0.4mm rmsの達成は困難との結論に至った。

どうやら今後は宇宙開発委員会で詰めの協議が行われ正式に中止される運びのようです。NASA地上局との協力が不成立になったのも地味ですが大きそう。非常に残念ではありますが、判断のタイミングとしては良かったと思います。
あと後ろのページに開発段階で得られた成果も載っています。

電波天文衛星「アストロG」開発中止へ 技術的に困難 [朝日]

総開発費は約143億円で、これまで30億円が使われたという。09年度にアンテナの技術的な課題が判明、計画は中断していた。

フライトモデルは未着手で製作されたのはエンジニアリングモデルだけだったためか、最低限に抑えられたようです。