「きぼう」に搭載された全天エックス線監視装置(MAXI:マキシ)と米国スウィフト衛星を用いた観測による成果論文の英科学誌「ネイチャー」への掲載について − 巨大ブラックホールに星が吸い込まれる瞬間を世界で初めて観測 − [JAXA]

星がンシュゴッとブラックホールに吸い込まれる瞬間が観測されたそうです。これは凄い。

 本論文の責任著者である、米国ペンシルバニア州立大学のデイビッド・バロウズ教授をはじめとするスウィフトの観測チームは、2011年3月28日21時57分(日本時間)に、同衛星に搭載されているガンマ線バースト検出望遠鏡(BAT:Burst Alert Telescope)によって「りゅう座」の方向にある天体から突然強いエックス線を検出しました。この天体(Swift J1644+57と命名)は、その後もさらに強いエックス線放射を繰り返したことから、重い星の死とブラックホールの誕生に伴ってしばしば観測されるガンマ線バーストとは異なるものと考えられました。

 スウィフトチームからの連絡を受けて、JAXA理化学研究所および上記論文の共著者である東京工業大学の河合誠之教授、日本大学の根來均准教授らをはじめとするMAXIの観測チームが同天体の観測データを調べたところ、Swift J1644+57からのエックス線がMAXIでもスウィフトによる発見の数時間前から検出されていたことがわかりました。さらに過去に遡って調べたところ、今回の活動が始まるまでエックス線は放射されていなかったことが確認されました。

 MAXIとスフィフトの観測を詳細に解析した結果から、このエックス線の正体は、銀河の中心核にあるブラックホールに星が吸い込まれた瞬間を捉えたものと判明しました。かつてエックス線を出していなかった銀河の中心核が、急に強く活動を開始するところを捉えたのは、今回のMAXIとスウィフトが世界で初めてです。また、エックス線の強さと激しい変動の様子から、エックス線を放射しているのは光速に近いジェットであることが初めて確認されました。これまでも、恒星がブラックホールによって潮汐破壊されて吸い込まれていると考えられた現象が観測されたことはありますが、今回ほど激しい現象ではなく、また、その始まりも捉えられていませんでした。

決定的な瞬間を捉えた事になりますね。丸ごと吸い込まれるのではなく、引きちぎられて吸い取られていく感じのようです。