宇宙で太陽光発電、天候問わず無尽蔵 実験が始動 伝送精度や資材輸送が課題 [日経]

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 9月、京都大学宇治キャンパス京都府宇治市)で、新施設が公開された。宇宙空間の太陽電池から地上に電気を送るマイクロ波送電を地上で再現する実験施設。10億円弱を投じた施設は世界最大という。

 宇宙太陽光発電の仕組みはこうだ。直径2〜3キロメートルの巨大な太陽電池パネルをロケットで打ち上げ、上空約3万6千キロメートルの軌道で広げる。発電した電気は電子レンジなどに使われるマイクロ波に変換。送信アンテナから地表の直径2キロメートルほどの受信アンテナに送る。地上でマイクロ波を電気に戻して利用する。レーザー光で送る方式も候補だ。

 地上と違って天候に左右されず常に発電できる。直径2〜3キロメートルのパネル1つで出力は100万キロワット級。原発1基分に相当する。マイクロ波は雲も通り抜ける。京都大学の篠原真毅教授は「技術的には長距離を送電できる。要素技術は今でも使える水準だ」と話す。

 といっても簡単に実現できるものではない。宇宙から地上のアンテナにマイクロ波を届けるのは「ゴルフで4キロメートル先からホールインワンを狙うくらいの精度が必要」(篠原教授)。送信アンテナの角度が0.01度変わるだけで地上では1キロメートルもずれる。京大の新施設では、伝送方法を数年かけて実証する計画だ。コンセント無しでも電気自動車を充電できる装置の開発にも役立てながら、未来技術に磨きをかける。

発電自体は既にやってますから、ネックになるのは伝送方法と大規模構造の構築と打ち上げコストですよね。現在はそのうち伝送方法について実証している段階で、これには軌道上で発電した電力をマイクロ波変換して地上に送る手法と、太陽光を直接レーザー増幅して地上に送りエネルギーに変換する手法の2つがあります。この記事では前者にあたります。