国際宇宙ステーション長期滞在搭乗員古川宇宙飛行士搭乗のソユーズ宇宙船(27S/TMA-02M)の帰還について [JAXA]

無事帰還! 5か月半の長期滞在本当にお疲れさまでした!

 国際宇宙ステーションISS)での長期滞在を終えた古川宇宙飛行士が搭乗するソユーズ宇宙船(27S/TMA-02M)は、以下のとおり無事帰還いたしましたのでお知らせします。

着陸日時: 平成23年11月22日(火)11時26分(日本時間)
平成23年11月22日(火) 8時26分(カザフスタン時間)
着陸場所: カザフスタン共和国
搭乗員: セルゲイ・ヴォルコフ(FSA)
古川 聡(JAXA
マイケル・フォッサム(NASA


備考1:ヴォルコフ宇宙飛行士、古川宇宙飛行士、フォッサム宇宙飛行士の第28次/第29次搭乗員は、165日間、ISSに滞在しました。

野口さんは現地で古川さんのお出迎えに行かれてたんですよね。映像に映ってるかな? ちなみに星出さんは来年夏からの飛行に向け星の町で訓練中。






ISS側から見たソユーズ宇宙船の再突入の様子が写っています。光点が複数見えるのは分離された軌道モジュールなどでしょうか。これは凄い。しかし一時はソユーズの運行もどうなることかと気を揉んだものですが、何事もなく帰ってこられて本当に良かったです。
今後はヒューストンで1か月ほどリハビリに専念するため、帰国は年明けになるそうです。

古川さん「冷たくて新鮮な空気はすばらしい」 [読売]

 約5か月半ぶりの地球の感触に、古川さんは「ずっとエアコンで22〜23度だったので、こういう冷たくて新鮮な空気はすばらしいですね」と笑顔で話した。

 着陸地点は、首都アスタナから西へ約400キロ・メートル。見渡す限り何もない荒野だ。前日に吹き荒れた雪もやみ、この日は満天の星空。着陸は通常、パラシュートなどの目印が目視できる昼間に設定されるが、今回はロシアのロケット打ち上げ失敗の影響で、捜索が難しい夜明け前の着陸となった。

 宇宙船の寿命は200日。昼間の着陸日を設定することもできたが、再延期すると、寒さがさらに厳しくなるため、危険性が増すと判断したという。

リアル冬将軍がアップを始めてますから、帰還時期のタイミングとしてはギリギリまで待った感じですね。夏に打ち上げて冬に帰還ですから体感は凄いことになってそうですw

 着陸予定地点近くでは、火の玉のように見えるソユーズとISSが並走しながら上空の西南西の方向から出現。その後、ISSは上空へ、ソユーズは下方へ分かれていった。

とすると、着陸地点でも減速噴射するあたりから見えるんですね。

古川さん「気分は最高」=5カ月半ぶり地球に−カザフ [時事]

 【モスクワ時事】国際宇宙ステーションに日本人最長の165日間連続滞在し、帰還した古川聡さん(47)は22日午後(日本時間同)、中央アジアカザフスタン北部のクスタナイ空港に専用ヘリで移動し、恒例の歓迎式典に参加した。
 宇宙航空研究開発機構によると、古川さんは日本時間の同日午後3時すぎ、昨年6月にソユーズ宇宙船で帰還した野口聡一さん(46)らと一緒に空港に到着。式典で中央アジアの民族衣装や古川さんの似顔絵が描かれたロシアの民芸品マトリョーシカが贈られると、満面に笑みを浮かべた。
 宇宙機構幹部から12年間の訓練を経た初飛行について聞かれると「気分は最高でした」と笑顔で話した。また「(地上に戻ってきて)ただいるだけで重いと感じるのは、興味深い」「重いと感じつい離してしまうと、物が落ちてしまう」などと話したという。
 古川さんは式典後、本格的なリハビリを受けるため、専用機で米航空宇宙局(NASA)の施設がある米テキサス州ヒューストンに向かった。

うむ、帰還したその足で空港での式典に参加、既にヒューストンに飛んでいるそうです。

地上の100年分の被曝量 東電作業員上限線量の半分超 [産経]

 宇宙に167日間滞在した古川さんの放射線量は累積で推定100〜150ミリシーベルト程度。日本で自然に浴びる放射線量は年間約1・5ミリシーベルトなので、最大で約100年分に相当する。東京電力福島第1原発で働く作業員の上限線量(250ミリシーベルト)の半分以上だ。

 古川さんは滞在中、高精度で小型の国産線量計を常に身に付けた。太陽活動の活発化で関係者に緊張が走った時期もあったが、線量は許容範囲内に収まったという。

 多量の宇宙放射線を浴びると造血組織が影響を受けたり、がんや白内障の発生率が高まったりするとされる。飛行士の宇宙滞在期間は放射線量によって制限されており、その低減は将来の火星旅行などの実現に向けた重要課題にもなっている。

 放射線医学総合研究所の保田浩志・放射線防護研究センターチームリーダーは「放射線だけをみても、今のままではISSなどで一般人が普通に暮らすのは難しい。何らかの対策が必要になる」と話している。

古川さん:ドクターの宇宙実験終了「医学発展に生かす」 [毎日]

 たとえば長期滞在の飛行士は、一般人の年間被ばく許容限度(1ミリシーベルト)近い宇宙放射線を1日で浴びる。古川さんは滞在中の被ばくを小型線量計で記録した。今後分析し、宇宙滞在が一般化する将来の被ばく防護対策に役立てる。

 また自ら脳波や心拍数などを測定し、モニター画面越しに地上の医師の診察を受ける実験もした。このシステムが確立されれば、宇宙にいながら健康を自分で管理し、カルテを共有する地上の医師の「遠隔診断」を受けることも可能になる。

 古川さんは実験の際に気づいた診断方法の改善点をアドバイスした。このシステムを計画する宇宙航空研究開発機構の長谷川義幸理事は22日、「古川さんはドクターとエンジニアの両方(の役割)をやってくれた」と評価した。

ちなみにISS長期滞在中の被曝量を定量的に測定する実験も行われています。

宇宙から被災地に励ましの言葉 妻は福島県出身、強い思い [産経]

 学生時代に三陸地方を旅行した経験がある古川さんは、妻の恵子さんが福島県いわき市出身ということもあり、被災地への強い思いがあった。

 7月、福島青年会議所が要望したビデオメッセージの収録を快諾。日本実験棟の名称「きぼう」の3文字が染め抜かれた青いのれんを手に、「福島の工場で作られた、とても品質の良いのれん。このような製品を作られているので、今まで以上に力強く復興されると信じています」とガッツポーズで激励した。

あの暖簾のおかげで「きぼう」が一発で分かるんですよねw 本当にナイスセンスです。古川さん自身も福島に並々ならぬご縁があるようで、常に気をかけている様子でしたね。


今回の古川さんの長期滞在についてはこちらのページに情報がまとまっています。