「第72回JAXAタウンミーティング in 八尾」開催報告 [JAXA]

今回は「はやぶさ」でミネルバ開発を担当された久保田さんも登場。

久保田:(中略)ミネルバがなぜ失敗したかというと、「はやぶさ」が降りていくときに落すのですが、「はやぶさ」にいろいろトラブルがあって、タッチダウンのやり方を変えて、人間が判断して落すことになりました。降りていくときのちょうどいいころを見計らって信号を出したのですが、16分前の情報を見て判断して、16分後を想像して信号を出しました。ところが表面には重力があって、「はやぶさ」が近づいていったときに速度が上がってしまい、余りにも速度が速くなったので「はやぶさ」自身がジェットを噴いてしまいました。ジェットを噴いたあとに指令が届いて、その速度分が加わって大体推定秒速15cmでミネルバを放出してしまいました。本当はその3分の1の秒速5cmで落す予定が3倍になってしまって、小惑星の脱出速度が大体同じぐらいなので、小惑星には到達できませんでした。ちなみに、落とすコマンドを送ったのは私で、しょげましたが、ミネルバとは通信ができて、宇宙空間を飛んでいる探査機全体を撮った写真は今までないので、分離するときに撮ろうとしましたが、残念ながら太陽電池の一部しか撮れませんでした。しかし、これでミネルバ自身の機能は確認できたわけで、放出した後ちゃんと生きていて、今も生きている可能性はあります。
久保田:きちんと搭載場所も確保されてまして、ミネルバ2の開発を進めています。更に大学がいろいろ提案しまして、大学コンソーシアムでもう一機持っていこうかなと思っていて、うまくすると2機持っていけますが、重量の問題で1機になる可能性はあります。今度はリベンジで、私がコマンドを打つのではなく、「はやぶさ」自身に分離してもらいます。

あああ、久保田さん本人がコマンド送ったんですね。しかし「はやぶさ」は降下速度を自律的に調整しようとスラスタを噴いてしまい、脱出速度を上回ってしまったと。「はやぶさ2」ではまとめて自律的に行うようになるそうです。

確かに、私どもは広報不足、宣伝不足というご指摘をいただくこともあって、いつもそうしたご意見を戒めにして、更なる努力を重ねていこうと、気を引き締めているところです。具体的には、東京での私のJAXA活動のほんの一部になりますけれど、ご参考までに紹介させていただきますと、各放送局、新聞社、出版社などのマスコミ各社を頻繁に廻り、宇宙、JAXAを応援したくなるようなお話しを説得力をもってしています。有難いことに、今まで築いてきた人脈も大きな助けになっていますので、大抵の場合、先方様から招んでいただいております。現に各局で、数多くの宇宙番組を制作、放送していただいておりまして、特にNHKさんでは、宇宙関連の番組は、科学番組ご担当の制作部長さんが把握しているだけでも、昨年で131本もあったそうです。その上、ニュースでも冒頭に宇宙関連のニュースを流すと視聴率がアップするそうで、折りに触れて報道していただき、トピックとしても取り上げてくださっています。

視聴率アップwww 確か月刊誌Newtonも宇宙特集すると部数がアップするそうですね。

参加者:私たち含め国民はすごく応援していると思いますが、私たちが何か金銭面とかで協力できるようなことは何かないでしょうか。
寺田:最近今のようなご意見をたくさんいただくようになりました。JAXAとしても現在、寄附金をきちんともらえるような制度について準備を進めています。できればもう数か月以内に寄附金をいただいて、各プロジェクトに個別に、あるいは全体にも応援してもらえるような制度を準備をしていますので、是非そのときは、一口乗っていただいて、衛星の開発に役立てたいと思いますので、よろしくお願いします。

おお、思ってたより早い。