H-IIAロケット21号機/「しずく」「アリラン3号」打ち上げ見学記 2012.05.18

さて今回の打ち上げ時間は5月18日01時39分。別の書き方では17日25時39分。H-IIB初号機以来の真夜中です! 宿の女将さんに弁当を用意して頂き、19時頃に「湯」付近路上に到着。


日が沈み、どんどん暗くなっていきます。街灯の無い場所は本気で暗い。月が出ればそこそこ明るいですがそれもありません。町会の見回りの方が車で出入りされてたのですが、「マムシ出たから気を付けてー」「さっきあっちで一匹殺ったよ」などとおっしゃりガクブル。
さて、当然「湯」は公式放送を直接見ることはできません。そんなわけでいつもはJAXAの業務無線を拾ってカウントダウンを確認するのですが、今回レシーバーを持参された方が業務無線にスクランブルかかっているとおっしゃっていました。波形反転してる感じらしい。うーん、これもセキュリティ対策なんでしょうかね。



弁当を食べようと思ったのですが…何のおかずが入ってるのかわからん! あまりに暗いのでただの携帯の画面の明るさだけでハイビームみたいに辺りが見渡せるレベル。あとヤブ蚊が多くて足かまれまくり。ハーフパンツやめときゃよかった。2年前の時は虫は大したことなかったので完全に油断してました。


20:50


すでに全段の推進剤充填作業が完了。蒸発分を充填し続けているので、低温蒸気で結露した白い湯気が見て取れます。暗いのでデジカメだとちょっと撮りにくい。

22:15


そして星空が凄いわけで、ちょっと感度上げて撮ると星の海。パッと見てどれが北斗七星か分かるでしょうか?(自分で撮っておいて他の写真と見比べないと分からなかったというw)



で、今回失敗だったのがプレートを忘れてきたこと。三脚にカメラを2台乗せるための台です。そのため、ハンディカムは三脚に、一眼は右手でフリーハンド。夜間なので光量調整のためハンディカムにはNDフィルタ噛ませてありますが、SRB-Aを分離すると一気に暗くなるのでその瞬間に手際よくフィルタを取り外すという手順で行くことにしました。そんなの上手くいくんかいなと思いつつ何回か練習。
そうこうしているうちにこの場所には数十人の人だかりが出来、かなり賑やかになってきました! 蚊もこの人数に希釈されてだいぶ気にならなくなってきたw

1:39

ニコ生中継と業務無線を受信しつつそのタイムラグからカウントダウン。いよいよです。



リフトオフ!



真っ暗闇だった海岸線がオレンジの閃光で眩く照らし出されます。すげえ!



10秒ほどで体の芯を揺さぶる大音響が届く。うおおおおとかスゲェェェとか言ってる自分の声も聞こえない。これが規制線ギリギリの迫力です。写真ではオレンジ色の噴煙しか見えませんが、これはカメラの技術的な限界。肉眼で追うと2本のSRB-Aから放たれる噴射ガスの軌跡がくっきりと見えます。カメラをワイドにしてしばしその目で堪能。ロケットは一直線に天頂へと駆け上っていきます。






SRB-A分離! 今回もはっきり確認できました。その後もしばらくはカメラで追っていけたのですが、そのうち満天の星空に溶け込んで見失ってしまいました。なんともいえない余韻が残る。
そしてKOMPSAT-3、「しずく」それぞれ分離成功の報が届く。まさにパーフェクト、堂々たる打ち上げ成功。おめでとうございます!



動画もアップしておきました。今回は比較的ブレずに追うことができました。ニコ動にも上げてあります