JAXAと茨城大、これまでにない鉱物学的特徴を持つ新種の地球外物質を回収 [日経プレスリリース]

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 MPAC&SEED実験装置は、微小粒子を捕獲することを目的に2001年にロシアのISS施設であるサービスモジュールに設置され、2002年から2005年にかけて3回に分けて試料を回収したのち、様々な観点から分析を行ってきました。
 このうち、2005年に回収されたシリカエアロジェル(※4)に捕獲されていた、大きさ30ミクロン程度の微小粒子について、茨城大学(野口高明教授)との共同研究による分析の結果、始原的な隕石を特徴付けるコンドルール(※5)様物体であるものの、既知のコンドルールには見られない鉱物学的特徴(※6)を持つことがわかりました。
 それと同時に、分析結果では、「Hoshi」に含まれる鉱石(カンラン石や輝石)の酸素同位体比(※7)は、これまでに地上や大気圏で得られた惑星間塵、微隕石及びヴィルト第2彗星塵(※8)に似ていました。
 この両者の特徴を兼ね備えた物質は未だに発見されていません。即ち、今までに知られている地球外物質とは違う小天体起源の物質と考えられます。


※6 「Hoshi」に含まれるNiに富む硫化鉄は、均質でかつNiに富む相を離溶(ある状態の物質がゆっくり冷却することで、ある温度で二相またはそれ以上の明瞭な相に分離すること)していないことから、900℃以上で均質化した後は100℃以上に加熱されていないことが分かった。このような硫化鉄を含むコンドルールはこれまで発見されていない。
※7 酸素は、質量数16、17、18の3種の安定同位体(自然界で一定の割合をもって安定に存在する同位体)を持っている。酸素同位体比は太陽系の天体ごとに異なっていると考えられている。20世紀末、ロシアのミール宇宙ステーションでも地球外物質捕獲が行われたが、酸素同位体比測定は行われていない。
※8 NASAスターダスト衛星によってサンプルリターンされた塵。

うむ、これまでにない組成の宇宙塵が確認されたようです。なんだこれ?