ポート共有実験装置(MCE)ミッションEVA支援ロボット実証実験(REX-J)の動作確認状況について [ISS/JAXA]

基本機能確認が完了し、これから本格的に実験に移行するという感じですね。

関連:星出宇宙飛行士の作業状況(2012年09月11日) [ISS/JAXA]

先日の船外活動の舞台裏について続編が来てます。

星出宇宙飛行士らは、US EVA19の前に、地上からの指示に従い、軌道上にあるものをかき集めて4種類の新しい船外活動用工具を製作しました。ユニークなものが「Toothbrush Cleaner」で、文字通り歯ブラシを流用して作りました。「Wire Brush Tool」はワイヤーブラシをピストル型パワー・ツール(Pistol Grip Tool: PGT)の先端に取り付けられるよう改造したものです。いずれも簡単な作りですが、船外の厳しい熱環境に耐えられるようテープを巻いて保護し、地上の真空チャンバで高温・低温、真空環境に耐えられることも試験して確認しました。

当然と言えば当然なんですが、あの歯ブラシちゃんと熱真空試験をクリアしてたんですねw もちろん今から打ち上げるわけにもいきませんので、地上側でエンジニアリングモデルを、そして同様の素材を用いてISSでフライトモデルをこしらえたわけですね。

US EVA19では、まず「Wire Brush Tool」をPGTの先端に取り付け、MBSU#1のボルトを受ける支柱の内部に付着した金属粉をゆっくりと回転させながら除去し、窒素ガスを噴射してさらに吹き飛ばした後、宇宙の真空環境でも使用可能なグリース(潤滑剤)を塗布した「Toothbrush Cleaner」で潤滑しました。その上で、ボルトを受ける支柱に「Bolt Tool」をねじ込み、規程の回転数まで回るかどうかを手作業で確認しました。確認の結果、4回転ほどできつくなりましたが、回らない状況ではなかった(ボルトを約4回転したところで摩擦が増大することが確認されましたが、そこを過ぎると問題なかった)ため、「Bolt Tool」を抜き、もう一度潤滑を加えたボルトを通した後、本番のMBSU#1のボルトの締結に挑み、見事に成功しました。

やはりあの箇所で何らかの変形が生じていたのかも知れないですね。最初に取り外そうとして回らなかった時は見ていてちょっと焦りましたが、そこは力業でクリアしたそうです。あれ以上の大仕事にならずに済んで本当に良かったですw