韓国ロケットは打ち上げならず 今後の日程は未定 [聯合]

 同日午後1時58分ごろ、羅老の午後4時の打ち上げが確定し、燃料などの注入が始まった。しかし、打ち上げ15分前からの自動カウントダウンに入る直前に2段目の推力方向制御装置に異常が見つかり、打ち上げ準備の中断が決定した。

 韓国教育科学技術部の趙律来(チョ・ユルレ)第2次官は、「2段目の推力方向制御(TVC)装置の点検過程で、一部の電気信号(電流)に異常信号が感知されたため、打ち上げ準備を中断した」と明らかにした。精密調査後に今後の日程を決定するという。

 注入した燃料を抜いて精密調査を行い、再び発射台に立てるまでの時間を勘案すると、国際機関に通知した来月5日までの打ち上げ予定期間中の打ち上げは難しいのではないかという観測が出ている。趙次官は「正確な原因究明にまだ時間を要するだろう」と話している。

 当局は、今回打ち上げ予定期限を過ぎた場合には年内に無理に打ち上げないという方針を示しており、年内打ち上げが見送られる可能性も排除できない。

初の衛星ロケット、また延期=発射直前に信号異常−韓国 [時事]

 羅老号は、南西部・全羅南道羅老宇宙センターで最終準備が進められていた。教育省によると、打ち上げ予定時間の約17分前に、2段目推進器の制御装置に異常が生じ、過電流の信号があった。

またかいな…とも言いたくなりますが、打ち上げる前に問題を発見できたのが何よりです。そのロケットなんて実績積むまでは毎日延期も当たり前みたいなノリですからね。もっとも、この3号機の後は全く予定が無いんですが…

ちなみにKSLV-1の第2段は固体燃料ですが、今回はどうやらその推力方向を変えるTVC系にエラー信号が出たようです。過電流ということで、どうやら電気系統のようですね。KSLVのTVCについてはよく知りませんが、例えばM-Vロケットの場合、初期の上段TVCはノズル内にガスジェットを噴射して推力方向を制御する仕組みになっており、5号機からは全段がノズルを直接首振りするジンバル方式に移行しています(初段が油圧で上段が電動)。

予備日は12月5日まで確保しているようですがそれまでに果たして間に合いますかね?

羅老号、明日にも組立棟へ移送(韓国語) [聯合]

こちらに質疑が上がってました。

― 12月5日までに打ち上げ可能か。
▲(金院長)推進剤を抜き取り組立棟に戻さなければならない状況。まず問題がどの程度のものかを把握しなければならない。
▲(兆団長)すぐには難しい。液体酸素とケロシン(灯油)が注入された状態なので、これを抜き取る作業中だ。液体酸素を抜き取った後、羅老号を温める"加温処理"を24時間行わなければならない。明日の午後にでも発射台から降ろし組立棟に​​移送し初段と上段を切り離す。


― リハーサルでは問題を確認できなかったのか。
▲(兆団長)今回故障した部分は固体ロケットのノズルを固定するために必要な油圧ポンプコントローラだ。以前にも何度も確認した昨日の最終リハーサルで2回、今日も最終カウントダウン中に2回の点検をしたが問題はなかった。


― 問題となった部品は国産部品なのか。予備はあるのか。
▲(兆団長)上段のすべての部品は国産化された部品である。総10セットを用意して破壊試験をしたが、飛行用に3個、予備に2個持っている。予備は十分である。


― ソフトウェアの問題なのか。
▲(兆団長)電子部品側の問題であると推定する。


― 組み立て後一ヶ月が過ぎた部品が受ける荷重の問題はないのか。
▲(兆団長)センサーで機体を垂直方向・水平方向の「荷重レベル(歪み)」を毎日測定する。ロケットは高速で空気中を飛行することによって、実際の飛行時には大変な動的加重を受ける。現在の垂直・水平状態の荷重は、動的加重の10〜15%という水準に過ぎない。保管状態の疲労は心配ない。


― 電流以上の状況について詳しく説明を。
▲(兆団長)上段部に15個の電子ボックスがあり、それぞれの消費電流をリアルタイムに監視する。午前と午後に消費電流を確認したときは正常だったが、16分前になって突然、そのボックスが正常値より数百ミリアンペア大きい電流を消費していることが分かった。


― 問題となったボックス名称は。
▲(兆団長)推力方向コントローラ(TVC)ポンプ制御ボックスだ。


― 製造から長期間経ちすぎたことで生じた問題ではないのか。
▲(兆団長)3ヶ月ごとに検査をしており、今回の打ち上げでも問題なかった。通常は10〜15年程度使うことができ、私たちもここに合わせて制作しているので、5年経っても問題は発生していない。


― 注入された液体酸素を除けば、腐食の問題はないのか。
▲(兆団長)液体酸素は外してしまえば問題ない。ロケットがあまりにも低い温度と接触していたので、加温処理をして暖める作業が必要である。


― 燃料注入は何度まで可能なのか。
▲(兆団長)機体をどのように扱うかによって異なりますが、5回まで可能。


― 部品を交換すれば1日か2日で打ち上げが可能か。
▲(兆団長)スペア​​パーツはありますが1段と2段の分離を必要とし、はじめから手順を踏む時間が必要である。


― 今年中に打ち上げるのは難しいのではないか。
▲(長官)成功の可能性を最大限に高めることができる打ち上げ時期をとることが重要である。ロシアとの協議も必要であり、総合的に考慮して選択する。


― 打ち上げが来年に持ち越されると政治的影響はないのか。
▲(長官)科学的根拠に合わせて進めなければならない。複数の政治日程があるが、打ち上げ成功の可能性に最も重点を置いて進行する。(Google翻訳から意訳)

どうやらKSLVの2段目のTVCは油圧式のようです。


あとニコ生とかを見ていて機体から漏れ出ている煙に対し視聴者から妙に反応がありましたが、あれは1段目に使用している極低温の液体酸素が蒸発することで発生している湯気であります。ドライアイスのアレみたいなものですね。入れる端から蒸発していくのでタンクが満タンになった後も蒸発分を注入し続け、打ち上げ直前に注入をストップし弁を閉じた時点でその湯気も止まります。



これはH-IIB3号機の打ち上げ中継動画ですが、打ち上げ60秒前まで湯気が出続けているのが見て取れます。