北朝鮮の衛星は極軌道に、完全制御できていない兆候も 米当局者 [CNN]

問題の可能性を裏付ける根拠として、北朝鮮が地上の管制センターから衛星に向けて無線信号を発信している形跡が見られないという。衛星は普通、打ち上げ直後に無線信号を送って電力供給のための太陽光パネルを展開させる。

ただ、完全には制御できていないとしても、制御不能に陥ったわけではなさそうだといい、北朝鮮が技術的問題を解決できる可能性もあるとしている。

ふむ、衛星からの電波を受信したという知らせも今のところ無いようですが、地上から送信している形跡も見当たらないそうです。まあそれだけじゃ制御「してない」のか「できていない」のか分からないんじゃないかと思うのですが…まあとりあえず何か飛んでるということで。

ミサイル発射の生映像、初放映 北朝鮮テレビ [共同]

 同テレビは12日、平壌の管制センターにある大型スクリーンに映った発射の様子は放送しているが、現場で撮影した映像の放映は初めて。


こちらがそうでしょうか。とても安定した飛行をしていますね。映像の2分13秒あたりで第1段分離でしょうか。

北朝鮮、予想より高度だった打ち上げ能力 「核保有国か経済破綻か」が今後の焦点に [日経BP]

松浦さんの記事。これまでの関連記事で一番よく纏まっていると思います。

 ただし、これは快挙ではない。北朝鮮は現在、国連安保理決議1874号により平和利用であるかどうかを問わず、いかなるミサイル関連技術の利用を禁止されている。衛星打ち上げは当然ミサイル関連技術の利用なので、今回の打ち上げは国際的な安全保障体制への公然たる反抗ということになる。

 また、北朝鮮は衛星で使用する周波数を打ち上げ直前になって国際調整を行う組織の国際電気通信連合(ITU)に一方的に通告したり、打ち上げ事故で起きる損害の賠償責任を規定した国際的な条約の宇宙損害責任条約を締結していないなど、責任をもって宇宙開発を行う体制の整備も怠っている。

ここはまさにその通りですね。ニュース番組が呼び方にこだわっている内はまだまだで、この辺しっかり押さえて報じないと何がヤバいのか正確に伝わりません。

 大抵の国は、初めての衛星打ち上げでは、ここまで精密な軌道投入は行わない。とにかくどんな軌道でもいいから地球を回る軌道に人工物体を投入することに集中する。その場合、真東に向けて打ち上げるし、最終段は余裕を持って加速するので遠地点高度がぐっと高くなる。

これが本当に驚きですよね。スカッドミサイルの技術の転用だろうと高をくくってはいけません。製造技術はもとよりクラスタリングや多段化、姿勢制御・軌道変更といった重要な要素技術は自前で揃えなくちゃいけませんからね。単に余所から技術を持ってくれば衛星を打ち上げられるというそんな容易いものでないということは北朝鮮の隣国がここ最近証明しているではありませんか。